グリシニン型タンパク質の起源とその分子進化

タイトル グリシニン型タンパク質の起源とその分子進化
担当機関 食品総合研究所
研究期間 1994~1994
研究担当者
発行年度 1994
要約  種子11S型タンパク質の進化的変遷と物性の関係を明らかにするため、多量の可溶性多糖を含むギンナンからのcDNA合成の可能なmRNAの抽出法を確立した。このmRNAを用いて、ギンナン貯蔵タンパク質(ギンナシンと命名)のcDNAをクローニングし、その全一次構造を決定し、分子進化学的解析を行った。
背景・ねらい  我々は11S型種子タンパク質における分子進化学的解析に資するため、これまでに、ダイズグリシニンをはじめとして、コメグルテリン、オート12S グロブリン、エニシダ11S型タンパク質などグリシニン型タンパク質の構造を遺伝子工学的手法を用いて解析してきた。今般、裸子植物由来種子として、困難視されていたギンナンのRNA抽出法を検討し、そのクローニングを試みた。
成果の内容・特徴
  1. ギンナンから11S型タンパク質を精製し、ギンナシンと名付けた(図1)。
  2. 酸性サブユニットおよび塩基性サブユニットの部分アミノ酸配列を決定した。
  3. 改変SDS-フェノール法を用いて可溶性の多糖類が多いギンナンからmRNAを抽出することに成功しcDNAライブラリーを作製することができた。
  4. 決定したアミノ酸配列を基にオリゴヌクレオチドプライマーを合成し、mRNAをテンプレートとしてPCR法を用いてプローブを作製しクローニングを行い、陽性クローンを得た。
  5. 構造解析結果、このクローンは全長1614bpであり、18bpのpolyAを含んでいた。
  6. ギンナシンの成熟化された酸性サブユニットの分子量は27505、塩基性サブユニットの分子量は21175であると考えられた。
  7. 他の植物の11Sタンパク質とのホモロジー検索の結果、約33%-40%であった。
  8. このクローンで特徴的なことは、酸性サブユニットと塩基性サブユニットとの間を切断する切断部位の構造が今までクローニングされている11S型タンパク質では、常に、アスパラギンとグリシンの間であったが、ギンナシンは、アスパラギンとアスパラギンとの間であった。(図2にギンナシンのcDNA塩基配列と推定アミノ酸配列を示す。)
  9. 中立説に基ずく分子進化的解析の結果から、種子11S型タンパク質の分子からみた植物の系統樹を作成した。
成果の活用面・留意点  11S型種子タンパク質の構造的特徴と分子進化に関するさらなる知見を得ることが出来た。その結果、溶解性の異なるタンパク質が同一の祖先から由来したことが明らかとなった。これは、種子タンパク質の溶解性とタンパク質の構造を考える上で重要な示唆を与える。
図表1 224415-1.gif
図表2 224415-2.gif
カテゴリ 大豆

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる