| タイトル |
薄層クロマトグラフィーの蛍光X線による多元素同時検出 |
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| 研究期間 |
1997~1998 |
| 研究担当者 |
永田忠博
亀山眞由美
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| 発行年度 |
1997 |
| 要約 |
薄層クロマトグラフィー(TLC)を蛍光X線(XRF)分析顕微鏡と組み合わせた新しい手法TLC/XRFにより,TLCプレート上に展開された成分を,元素を指標にして検出することに成功した。 |
| 背景・ねらい |
液体クロマトグラフィー(LC)やガスクロマトグラフィー(GC)では,それぞれ,ICP-AES(誘導結合プラズマ発光),AED(原子発光検出)法と組み合わせた,元素を指標とする検出法が汎用されている。それに対し,より簡便で迅速な分離分析法であるTLCでは,多元素同時分析が可能な検出法は未開発であった。試料を大気圧下で二次元的に走査することができ,元素の存在部位を非破壊的に観測できるX線分析顕微鏡を用いた新手法,TLC/XRFの開発を試みた。
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| 成果の内容・特徴 |
- 従来,TLCによる金属元素の検出は,各元素に特有な発色試薬と反応させて行われてきたが,TLC/XRFでは,1枚のプレート上で各元素を同時に検出することができる (図1a)。
- 金属錯体(プロトポルフィリン類)についても,前処理操作なしで,元素の存在と種 類が確認できる(図1b)。
- 図2に,Cl,Br,Iを含む農薬およびその関連化合物(a)と含硫アミノ酸(b)のマッピング像を示した。ハロゲンやイオウなどは,ICP-AESなどの元素検出法による測定が困難とされているが,共有結合を破壊することなく,TLC/XRFで検出できる。
- 測定に用いるTLCプレートの担体としては,セルロース材が適しているが,試料量が十分ある場合は,シリカゲルや,蛍光剤含有のものでも測定が可能である。
- マッピング画像を得るためには,最も検出感度のよい鉄でも,1μmol必要である。
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| 成果の活用面・留意点 |
- TLC/XRFは大気圧下での測定が可能であるため,高含水量のゲルを用いた平面クロマトグラフィーへの応用も可能である。また,非破壊的な測定法であるので,元素情報入手後,質量分析を行い(TLC/MS),元素を含む分子の質量情報や構造情報も得られる。
- 問題点としては,検出感度の悪さが挙げられる。特に,分子量の大きな成分を扱う場合,相対的な試料量の増加のためTLCでの分離に支障を来たす。今後,装置面での性能向上により,生体構成成分についての情報も,TLC/XRFから迅速・簡便に取得できると考えられる。
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| 図表1 |
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| 図表2 |
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| カテゴリ |
病害虫
農薬
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