タイトル |
16. アヤムラサキ塊根のアントシアニン色素の分布 |
担当機関 |
甘しょ育種研究室 |
研究期間 |
1998~2001 |
研究担当者 |
奥野成倫(畑作物変換利用研究室)
吉永 優(遺伝資源利用研究室)
吉元 誠
山川 理(甘しょ育種研究室)
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発行年度 |
1998 |
要約 |
紫カンショ品種アヤムラサキの塊根のアントシアニン色素の色価は内部組織より表皮も含めた約5
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背景・ねらい |
農産物の輸入自由化に対応して、南九州の基幹作物であるカンショの一層の需要促進を図るためにはカンショの高付加価値化が必要である。本研究では、紫カンショ品種であるアヤムラサキの有効利用促進の目的で、アントシアニン色素の分布と抗変異原活性の関係について検討する。
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成果の内容・特徴 |
- アヤムラサキの外部組織(表皮も含めて約5mmの部分)は内部組織(外部組織を除去した部分)に比べ、色価が高い。外部組織と内部組織の色素の成分比(ペオニジン及びシアニジン含量)にも差がみられ、外部組織は内部組織に比べ、シアニジンの含量比が高い(表1)。
- アヤムラサキの色素で、YGM-3(シアニジン-3-(6,6'-カフェイルフェルリルソフォロシド)-5-グルコシド)とその脱アシル化誘導体Cy3So5G(シアニジン-3-ソフォロシド-5-グルコシド)及びYGM-6
(ペオニジン-3-(6,6'-カフェイルフェルリルソフォロシド)-5-グルコシド)とその脱アシル化誘導体Pn3So5G(ペオニジン-3-ソフォロシド-5-グルコシド)の抗変異原活性は、シアニジンが強い活性を示す(表2)。
- アヤムラサキの外部組織の強い抗変異原活性は、主としてシアニジンによる。アヤムラサキ以外の品種の外部組織の抗変異原成分としては、クロロゲン酸などのポリフェノール類による(表3、図1)。
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成果の活用面・留意点 |
- カンショの機能性を十分活かすには、塊根全体又は廃棄部を可能な限り少なくした利用法の開発が重要である。
- 外部組織と内部組織の色素成分は、アヤムラサキ以外の紫カンショ品種で異なる可能性があり、品種ごとに検討する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
かんしょ
機能性
高付加価値
品種
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