シバ型草地を含む放牧地における牛糞によるシバ種子の散布

タイトル シバ型草地を含む放牧地における牛糞によるシバ種子の散布
担当機関 中国農業試験場
研究期間 1995~1997
研究担当者
発行年度 1995
要約 放牧強度の高い条件下のシバ型草地においては、シバ種子の生産のかなりの部分が、春期の排糞により形成された不食過繁地で行なわれる。これらのシバ種子の多くは、排糞後2カ月以降には採食されて牛糞中に移行し、放牧地内に散布され、シバ型草地の面積拡大に貢献する。
背景・ねらい 国内の代表的な半自然草地であるシバ型草地は、省力的で低コストな飼料資源として、また、アメニティー空間としての価値が最近見直されてきている。シバの硬い種子は牛の腹を通ることで発芽しやすくなることから、シバ型草地の面積拡大の手段の1つとして牛糞によるシバ種子の散布を活用できる。ここでは、シバ型草地0.5haを含む野草地3.5haにおいて、黒毛和種成雌牛6頭を300CD/ha程度の放牧強度で定置放牧した場合の糞中種子によるシバの伝搬・定着の実態を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 春期の排糞によってシバ草地に形成された不食過繁地では、放牧強度の高い条件のもとでもシバの開花、結実は順調に行なわれ、6月上・中旬にはm2当たり1500粒を越える発芽可能シバ種子が存在する。これに対して、糞がなく頻繁に採食を受けた場所(採食地)の種子生産量は極めて低いレベルにとどまる。不食過繁地は、排糞後およそ2カ月(7月)以降には採食され、同時にシバの穂も採食される(図1)。
  2. 放牧牛の排泄糞中に含まれるシバ種子の数は、6月下旬頃にピ-クに達したのち急激に減少するが、7月下旬以降は不食過繁地の採食に伴なう2回目のピ-クが認められる(図2)。
  3. 牛糞上で発芽した草種はシバ、ヒメスイバ、シロクローバ、レッドトップ、オオチドメ、ミヤコグサ等である。シバの定着個体数は排糞した年の9月頃に最も多く、その後次第に低下するが、排糞翌年の秋までに最高実生数の20~24%が生存し、定着する(図3)。
  4. 以上の結果から、放牧強度の高い場合でも不食過繁地で結実したシバ種子の糞による散布と発芽・定着が可能である(図4)。
    写真.糞中種子から定着したシバ個体
成果の活用面・留意点
  1. 放牧牛を利用し、保全的にシバ草地を造成、拡大することに活用できる。
  2. 糞上のシバ種子の発芽・定着は、その場所の土壌、植生などによって異なり、また牛糞の散布は必ずしも均一でないので、この方法によるシバ草地の造成のためには、水場の位置、補助給与の場所などを工夫し、放牧牛の行動域を制御する必要がある。
図表1 224768-1.jpg
図表2 224768-2.jpg
図表3 224768-3.jpg
図表4 224768-4.jpg
図表5 224768-5.jpg
カテゴリ すいば 低コスト

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