小型・軽量・安価な放牧牛の採食行動自動記録装置(グレイズメモリー)

タイトル 小型・軽量・安価な放牧牛の採食行動自動記録装置(グレイズメモリー)
担当機関 北海道農業試験場
研究期間 1996~1997
研究担当者 須藤賢司
池田哲也
本間毅郎
落合一彦
発行年度 1997
要約 採食時の顎の上下動を万歩計の振動子でとらえ、半導体メモリーに記録して解析することで放牧牛の採食時間が簡単に計測できる装置を開発した。これまでの行動記録計に比べ、小型・軽量・安価で、安定的に計測できる。
背景・ねらい  放牧牛の採食時間を機械を使って知るためのこれまでの方法は、牛に口輪をつけて、口の開閉を圧センサーもしくは伸縮センサーでモニターするやり方であった。この方法は、センサーの微妙な取り付け方によって口の開閉が検知できたりできなかったりする不安定さと、反芻と採食の識別が難しいという欠点があった。また、現在市販されている行動記録計は、電池やアンプ類が大がかりになり、センサーを取り付けた口輪以外に牛の背中に機械をくくりつけなければならない。値段も1セット30~40万円と高価である。そこで、もっと安く簡単に、しかも確実に採食時間がわかる装置の開発を試みた。
成果の内容・特徴
  1. 採食時のみ顎の上下動を感知
     牛は反芻するときは頭を水平にし、草を採食するときは頭を下げるので、顎の角度が異なる。上下動センサーの角度を調節することで、採食しているときだけ口の上下動を感知する(図1)。
  2. 小型・軽量・安価で牛にストレスをかけない
     これまでの行動記録計に比べ、小型(90×48×26mm)、軽量(80g)、安価(約4万円、従来の1/10)で安定的に計測できる。頭絡の下部に付けた収納ケースにグレイズメモリーを入れるだけで、牛の顎運動を妨げず、大きなストレスをかけずに長期間(最大3週間程度)、採食行動を1~5分刻みで経時的に記録できる(写真)。
  3. データ解析はパソコンで
     メモリーに記録されたデータをパソコンに取り込み、解析することで採食時間が経時的にわかる(図2)。1分値が11以上のときに食草という条件で、機械による食草時間を決めると、人間の観察とよく一致(95%程度)する。
成果の活用面・留意点
  1. 放牧牛に取り付けることで牛群の中の個体の相対的な採食量の多少がわかる。
    ①異常牛や発情牛の発見、②放牧牛(乳牛)における放牧草の採食量を推定し、補助飼料の量を決定、③フリーストール飼養牛の個体管理などなどの技術開発が可能になる。
  2. 防水性がないので、防水性のテープを貼り、袋に入れるなど、防水対策を完全にとる。
図表1 224878-1.JPG
図表2 224878-2.JPG
カテゴリ くり 自動記録 乳牛

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