フリーストール牛舎における牛糞堆肥の敷料利用

タイトル フリーストール牛舎における牛糞堆肥の敷料利用
担当機関 草地試験場
研究期間 1999~1999
研究担当者 仮屋喜弘
石崎 宏
花房泰子
伊藤信雄
阿部佳之
加茂幹男
斉藤雅典
大友 量
畠中哲哉
原田久富美
須永義人
発行年度 1999
要約 発熱・発酵させ乾燥させた牛糞堆肥はフリーストール牛舎の敷料に利用でき,オガクズ敷料に比べてベッドでのクレブシエラ属細菌数を少なくできる。堆肥の循環利用による塩類濃度の上昇は木質系水分調整材の混合と余剰分を圃場に還元することで抑えられる。
背景・ねらい 敷料は畜体を清潔に保ち家畜管理作業を円滑に進める上で必須の要件であるが,オガクズなどの入手が困難となり価格の上昇などの事例も見られる。一方,飼養頭数規模拡大とともに糞尿の効率的処理と利用場面の拡大が求められている。そこで,発酵・乾燥させた糞尿堆肥を敷料として循環利用する技術をフリーストール牛舎において検討した。
成果の内容・特徴
  1. 畜舎から排出される糞尿は70%程度に水分を調整し,毎週撹拌,毎日通気することによって高温発酵し,堆肥中の病原細菌をほとんど殺すことができる(図1,図3)。
  2. 発酵堆肥は自然の風やファンによる送風,機械撹拌及び半透明プラスッチック屋根材 や壁材を用いた太陽熱の有効利用によって乾燥できる(図2上段)。
  3. 堆肥だけを循環させると塩類濃度が上昇するが(図2下段,A牧場1998年6~11月), B牧場のようにバーク等の木質系水分調整材を毎日成牛100頭当たり約2.2m3添加し, 年間に生産された堆肥の約65%を圃場に還元することで,電気伝導度を堆肥の推奨値 とされる5ミリジーメンス以下に抑えられる(図2下段)。
  4. 戻し堆肥ベッドではオガクズベッドと比べてベッド敷料中のクレブシエラ属細菌数が 少なく推移する(図3)。
  5. ベッド敷料中ではオガクズ敷料及び戻し堆肥敷料共に大腸菌やクレブシエラ属細菌が 増殖する場合がある(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 本敷料の利用により乳房炎の予防や糞尿処理量低減の効果が期待できる。
  2. まんべんなく発熱・発酵させなければ病原細菌類は死なず,感染源となる危険性があ るので,水分調節及び撹拌・通気に十分心がける必要がある。ベッド敷料中での菌類の 増殖源となる糞・尿及び漏乳により汚れた敷料は見つけ次第ベッド外に出す。
図表1 224990-1.jpg
図表2 224990-2.jpg
図表3 224990-3.jpg
カテゴリ 乾燥 規模拡大

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