ペレニアルライグラス由来のエンドファイトはフェストロリウムにも種子伝染する

タイトル ペレニアルライグラス由来のエンドファイトはフェストロリウムにも種子伝染する
担当機関 草地試験場
研究期間 2000~2000
研究担当者 蝦名真澄
月星隆雄
御子柴義郎
荒谷 博
秋山典昭
小林 真
杉田紳一
菅原幸哉
大久保博人
島貫忠幸
藤森雅博
廣井清貞
発行年度 2000
要約 エンドファイト感染ペレニアルライグラスにイタリアンライグラスを交雑して得た雑種植物(ハイブリッドライグラス),およびこれにトールフェスクを交雑した雑種植物(フェストロリウム)にもエンドファイトは高率に種子伝染する。
背景・ねらい
Neotyphodiumエンドファイト(内生共生菌)は宿主植物の生育を促進し,病害虫耐性を向上させるため,イネ科牧草等での利用が期待されている。エンドファイトは種子伝染によって後代に伝えられるが,種間および属間雑種植物における伝染についてはほとんど知見がない。そこでハイブリッドライグラス,フェストロリウムにおけるエンドファイトの種子伝染について調査し,雑種牧草へのエンドファイトの導入・活用への端緒とする。 
成果の内容・特徴
  1. 種子親由来のエンドファイトは、エンドファイト感染ペレニアルライグラス(種子親)に非感染イタリアンライグラス(花粉親)を交雑して得られるハイブリッドライグラスに高率に種子伝染する(図1)。
  2. エンドファイトに感染したハイブリッドライグラスへの花粉親(イタリアンライグラス)の戻し交雑後代にもエンドファイトは高率に種子伝染する。(図1)
  3. エンドファイト感染ハイブリッドライグラスにトールフェスクを交雑する属間交雑でも,後代の雑種(フェストロリウム)に種子親由来のエンドファイトが高率に種子伝染する(図1,図2,表1)。
成果の活用面・留意点
  1. フェストロリウムにおけるエンドファイト感染は世界最初の確認例であり,雑種牧草の育種・栽培においてエンドファイトを活用するための基礎知見となる。
  2. 飼料としての活用には家畜毒性のない菌株/感染植物の選抜・育成が必要である。

図表1 225043-1.png
図表2 225043-2.png
カテゴリ 育種 イタリアンライグラス 害虫

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