タイトル | 要注意外来植物ハリエンジュにもシアナミドが含まれる |
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研究期間 | |
研究担当者 |
加茂綱嗣(信州大) 山谷紘子 生物多様性研究領域 藤井義晴 平舘俊太郎 |
発行年度 | 2007 |
要約 | 553種植物についてシアナミド含有量を調べた結果、既報告のヘアリーベッチ以外にはハリエンジュとクサフジにのみ含まれていました。ハリエンジュでは植物全体に含まれていました。ハリエンジュの植物生育阻害作用はシアナミドによるものでした。 |
背景・ねらい | 外来植物のリスクを評価する上で、含まれる有害成分の研究や生態系への評価が必要です。植物・昆虫・微生物の生育阻害活性があり、石灰窒素の成分として知られるシアナミドがヘアリーベッチで生成されることを明らかにしましたが、その植物界における分布は不明でした。そこで、131科340属452種の維管束植物と101種のシダ植物における分布を明らかにしました。 |
成果の内容・特徴 | つくば実験植物園において、131科340属452種の維管束植物と101種のシダ植物、計553種の葉を、それぞれの生育最盛期に採取し、農環研で開発したシアナミドを特異的に定量する「同位体希釈法」(農業環境研究成果情報第22集:平舘ら、2005)により分析した結果、マメ科ソラマメ属のヘアリーベッチ(Vicia villosa)と、クサフジ(Vicia cracca)に含まれていました。しかし、ナンテンハギ、ツルフジバナカ、ソラマメ、カラスノエンドウなど、ヘアリーベッチとクサフジ以外のソラマメ属(Vicia)には含まれていませんでした(表1)。 環境省の要注意外来生物に選ばれているマメ科ハリエンジュ属のハリエンジュ(ニセアカシア)(Robinia pseudo-acacia)にもシアナミドが含まれていました(表1)。これまでにハリエンジュに含まれることを報告したロビネチンや(+)-カテキンよりもシアナミド方が、植物生育阻害活性への寄与が高いことが判明しました。なお、ハリエンジュと同属のRobinia luxuriansにはシアナミドは含まれていませんでした。 |
図表1 | ![]() |
カテゴリ | そらまめ |