極低温条件でも降水の量と継続時間を正確に長期間保守なしで実測できる測器の検証

タイトル 極低温条件でも降水の量と継続時間を正確に長期間保守なしで実測できる測器の検証
研究期間
研究担当者 岩田幸良
根本学((独)農業
食品産業技術総合研究機構北海道農業研究センター)
大気環境研究領域 井上聡
廣田知良
発行年度 2008
要約 極低温条件で、大気中の降水粒子濃度を直接測る方式の新型降水量計2機種と従来機種との比較を行いました。近赤外式の降水量計は、降水の量や継続時間の実態を正確に計測でき、長期間保守なしで正常に動作しました。
背景・ねらい
従来の降水量計は、降雪時に周囲の風の乱れによる捕捉損失が大きく、実測値が過小でした。また、構造上降水開始時刻を特定できず、正確な降水継続時間が不明でした。さらに、定期的な保守も不可欠なため、河川源流域等無人地では降水量観測が行われていません。このため、これらの問題を解決する計測手法の開発が切望されています。そこで、大気中の降水粒子濃度を非破壊で遠隔計測する降水量計2機種を用いて、極低温でも長期間保守なしで正常に動作し、正確な降水量が実測できるか、比較しました。

成果の内容・特徴 北海道芽室町において、最高1.2℃、同最低-27.2℃、同平均-10.0℃の冬季の極低温条件で、以下の3タイプの降水量計を用いて日降水量の長期比較試験を行いました。①875nmの近赤外光を大気中に照射し、降水粒子に対する散乱光によって降水量を測る近赤外式、 ②24GHzのマイクロ波を大気中に放射し、降水粒子に対する反射波によって降水量を測るマイクロ波式、③従来の手法である気象庁溢水式降水量計。ただし、溢水式の観測値は、同高度の風速から既知の補正式(横山ら,2003)によって捕捉損失を補正して、実際に降ったと考えられる降水量(真の降水量)を推定しました。その結果、近赤外光式が、降水量をより正確に(推定誤差:0.78mm)実測することが分かりました。一方、マイクロ波式の実測値は過小でした(図1)。
また、降水イベント中の積算降水量の時間変化を図2に示します。転倒枡によって計測された溢水式実測値やそこから推定された真の降水量(従来法)は、その枡が降水によって満ちるまで記録が生じないため、弱い降水が続く場合に正確な降水継続時間を算出できません。一方、近赤外光式は弱い降水にも反応するため、降水継続時間をより正確に実測できることが分かりました。
図表1 225534-1.jpg
図表2 225534-2.jpg
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