| タイトル |
腸管接着性微絨毛消滅性大腸菌の雛感染モデルの作出 |
| 担当機関 |
家畜衛生試験場 |
| 研究期間 |
1994~1996 |
| 研究担当者 |
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| 発行年度 |
1994 |
| 要約 |
牛,豚,鶏およびヒト由来の腸管接着性微絨毛消滅性大腸菌(AEEC)を雛に経口投与したところ,AEECは雛の盲腸内に定着し,盲腸粘膜に特異病変が認められた。このことから,雛はAEECの病原性の研究に有用な感染モデルであることが示唆された。
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| 背景・ねらい |
AEECの感染は牛,緬山羊,豚,鶏,犬,猫,ウサギおよびヒトで確認されている。AEEC感染で腸管粘膜に発現するいわゆる“attaching-effacing”(AE)病変については,細胞培養系を使用したin vitroの研究で,細胞内の収縮蛋白が関与していることが示唆されているが,in vivoでの検討は殆どなされていない。そこで,動物生体内における病変形成機構の解明を目的として,AEECを雛(写真1)に接種し,菌の腸管への定着および病変形成を観察し,感染モデルの作出を試みた。
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| 成果の内容・特徴 |
- 牛,豚,鶏およびヒト由来のAEECが雛の盲腸に定着した(表)。
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粘膜病変は,盲腸に限局していた(写真2,3)。
- 走査型電子顕微鏡では,菌の接着した粘膜表面に,微絨毛の消失あるいは著しい伸長が観察された(写真4)。透過型電子顕微鏡では,菌の接着した粘膜表面は微絨毛が消失し,“cytoplasmiccups”および“pedestal-like protrusions”形成が認められた(写真5)。
- 上記の粘膜病変は,牛,豚,ウサギおよびヒトにおいて報告されているAE病変と同様であった。このことから,AEEC感染での雛の腸管上皮細胞の変化(AE病変)は哺乳類の腸管上皮細胞の変化と同様であることが明らかとなった。
- 雛は,一般の孵化場からいつでも,容易に,安価で入手可能であり,孵化直後から親鶏あるいは人の介助なしに直接餅および水を摂取できる点で他の感染モデルに比較して有用である。
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| 成果の活用面・留意点 |
種々の動物由来のAEEC株が雛の盲腸に定着し,AE病変も観察された。このことから,AEECの病原性の研究に雛は有用な感染モデルであることが示唆された。AEECの病原性の解明は,現在,家畜衛生学のみならず,公衆衛生学および医学においても重要な課題である。今後,AE病変の再現率の高い最適条件を確定し,その病変の形成機構を解析する必要がある。
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| 図表1 |
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| 図表2 |
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| 図表3 |
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| 図表4 |
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| 図表5 |
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| 図表6 |
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| カテゴリ |
飼育技術
鶏
豚
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