イネの再分化に関与しているカルレティキュリンの機能解明

タイトル イネの再分化に関与しているカルレティキュリンの機能解明
担当機関 農業生物資源研究所
研究期間 2000~2000
研究担当者 SHEN Shihua(STAフェロー)
吉川 学
LI Zhijun(科学技術特別研究員)
小松節子
発行年度 2000
要約 イネの再分化に関与しているリン酸化タンパク質をプロテオーム解析技術を利用して検出した。単離したリン酸化タンパク質遺伝子はイネ・カルレティキュリンであり、形質転換体作出により再分化や茎葉伸長を抑制することを確認した。さらに、カルレティキュリンの発現抑制は低温耐性と関係することを証明した。
背景・ねらい  植物のもつ分化全能性は培養技術の向上により現象的には制御可能になったが、全能性の生理生化学的メカニズムについては不明な点が多い。一方、リン酸化によるタンパク質の活性調節機構は広く生物界普遍の制御様式であり、細胞再分化過程においても重要な鍵を握っていると考えられる。そこで、プロテオーム解析技術を応用してイネの再分化に関与しているリン酸化タンパク質を検出し、遺伝子単離後その機能を解析した。
成果の内容・特徴
  1. 継代培養短期間で再分化能のあるカルスと長期培養で再分化能を失ったカルスを用いて、タンパク質リン酸化二次元電気泳動を行った。カルス継代培養中は培養期間に関係なくリン酸化されるが、再分化能のあるカルスにおいては再分化培地に移植するとリン酸化能の減少するタンパク質を検出した(図1)
  2. プロテオーム解析技術を用いて得られた部分アミノ酸配列をもとに全長cDNAを単離した。単離したリン酸化タンパク質遺伝子はイネ・カルレテイキュリンであり、その形質転換イネにおいては再分化率が低く、再分化後も生長速度が遅延した(図2)。
  3. ジベレリン処理で顕著に伸長したイネ葉鞘中からの抽出タンパク質を二次元電気泳動後、カルレテイキュリン抗体を用いてウエスタンブロットを行うと、酸性側(リン酸化)と比較して塩基性側(脱リン酸化)のカルレティキュリンが増加することが明らかになった。
  4. カルレティキュリンは低温ストレスにより細胞質から膜への移行を示し、リン酸化能が亢進し、その情報伝達の下流でカルシウム依存性プロテインキナーゼ活性が亢進した。これらの特性はカルレティキュリンの過剰発現形質転換イネでは低温感受性イネと、アンチセンスDNA導入形質転換イネでは低温耐性イネと同様な傾向を示すことが証明された。
成果の活用面・留意点
  1. 生物機能発現に重要なタンパク質を直接解析するプロテオーム解析技術は、機能性タンパク質の検出に応用できる。
  2. イネ・カルレテイキュリンはイネの種々の機能発現及び環境ストレス応答において重要な鍵を担っていると考えられる。
図表1 226275-1.jpg
図表2 226275-2.jpg
カテゴリ 機能性 耐寒性

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