大腸菌細胞分裂に関与する新規タンパク質YhhPのNMR溶液構造

タイトル 大腸菌細胞分裂に関与する新規タンパク質YhhPのNMR溶液構造
担当機関 農業生物資源研究所
研究期間 2000~2003
研究担当者 山崎俊正
村田悦子(糖鎖工学研究室)
発行年度 2000
要約 NMR法により大腸菌の細胞分裂に関与する新規タンパク質YhhPの動的構造を解析しαヘリックスを安定化する新規なN キャップ構造を特定した。高次構造のホモロジー検索と分子表面のトポケミストリー解析を行い、YhhPタンパク質はRNAに結合することにより、その機能を発現するものと推定した。
背景・ねらい  ゲノムプロジェクトの進展により膨大な数の機能未知タンパク質が存在することが明らかにされた。これらの機能未知タンパク質の構造と機能の相関を解明することは、新機能物質の分子設計や生体機能制御等のバイオテクノロジー分野に大きく道を開くと期待される。本研究は、タンパク質の機能が立体構造と分子運動性により精緻に制御されていることに着目して、NMR解析から得られる立体構造情報、分子運動性情報、及び、分子表面のトポケミストリー情報を有機的に用い、高精度かつ迅速にタンパク質機能を予測・特定する新しい方法論の開発・確立を目指すものである。本研究の一環として、大腸菌の細胞分裂・染色体分配に関与する新規タンパク質YhhPの溶液中における動的構造をNMR法により解析し、その分子機能を推定した。
成果の内容・特徴
  1. YhhPタンパク質は4本鎖βシートと2本のαヘリックスの間に広範な疎水性コアを有するβαβαββ型α/βサンドウィッチ構造を形成している(図1a,1b)。バクテリア由来のYhhP類似タンパク質において保存されているアミノ酸の多くがこの疎水性コア内に位置しており、これらのYhhP類似タンパク質も同様の立体構造を形成するとが示唆される。
  2. YhhP類似タンパク質に共通なCPxPモチーフはα1ヘリックスのN端に位置しており、2残基前のLeu残基を含めたLxCPxP配列が新しいタイプのNキャップ構造としてαヘリックスの安定化に寄与している(図1c)。LxCPxPモチーフの構造上の特徴として、Cys-Pro間のペプチド結合がcis構造であることが挙げられる。
  3. 高次構造のホモロジー検索の結果、YhhPと翻訳開始因子のC末端リボソームRNA結合ドメイン(IF3C)は、アミノ酸配列の相同性は低い( 8%)が高次構造に高い類似性が認められた(図2)。さらに、IF3CのRNA認識ヘリックスα1とそれに対応するYhhPのα1は同等の分子表面トポケミストリーを示す。これらの結果を総合的に考察して、YhhPタンパク質はRNAに結合することにより、その機能を発現するものと推察した。
成果の活用面・留意点 アミノ酸を選択的に置換した点変異YhhPタンパク質の動的構造と機能を解析し、提唱したYhhP分子機能及び機能性残基を検証していく必要がある。
カテゴリ 機能性

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