形質転換細胞の効率的選択による緑色蛍光蛋白質発現クローン豚の作出

タイトル 形質転換細胞の効率的選択による緑色蛍光蛋白質発現クローン豚の作出
担当機関 (独)農業生物資源研究所
研究期間 2002~2004
研究担当者 永井卓(農研機構
岩元正樹(プライムテック)
橋本径子(プライムテック)
大西彰
畜草研)
渡部聡
淵本大一郎
矢崎智子(プライムテック)
鈴木俊一
発行年度 2004
要約 胎子から細胞を採取し、培養せずに直ちに緑色蛍光蛋白質(EGFP)の発現ベクターを導入した。さらに、ピューロマイシンにより組換え細胞を短期間に選択することができた。得られた細胞を用い顕微注入法によりクローン豚の作出を試みた結果、緑色蛍光を発する9頭のクローン豚が誕生した。農業生物資源研究所・発生分化研究グループ・発生工学研究チーム
キーワード 形質転換クローン豚、緑色蛍光蛋白質(EGFP)、ピューロマイシン、核移植体細胞クローン豚作出の成功率は2%以下と低い。特に長期間培養した細胞を用いた場合、細胞老化のためにクローンの成功率がさらに低下する。そのため、形質転換クローン豚の作出の際には、細胞への遺伝子導入および組換え細胞選択の過程を可能な限り短縮する必要がある。本研究では、組換え細胞を短期間で効率的に得る方法を開発し、形質転換クローン豚を誕生させることを目的とした。
背景・ねらい 体細胞クローン豚作出の成功率は2%以下と低い。特に長期間培養した細胞を用いた場合、細胞老化のためにクローンの成功率がさらに低下する。そのため、形質転換クローン豚の作出の際には、細胞への遺伝子導入および組換え細胞選択の過程を可能な限り短縮する必要がある。本研究では、組換え細胞を短期間で効率的に得る方法を開発し、形質転換クローン豚を誕生させることを目的とした。
成果の内容・特徴
  1. 妊娠73日齢の豚胎子からトリプシン処理により細胞を分離し、培養せずに直ちにエレクトロポーレーションによりピューロマイシン耐性遺伝子を連結した緑色蛍光蛋白質(EGFP)発現ベクター(図1)を導入した。
  2. ピューロマイシンにより組換え細胞を薬剤選択した結果、EGFPを発現する細胞が、ネオマイシンを用いた場合よりも効率的に選択できた。これらの結果、組換え細胞を得るまでの期間が9日間と、従来よりも約1週間短縮できた。
  3. 得られたEGFP発現組換え細胞を用いて顕微注入法により核移植し、核移植胚の胚盤胞期までの発生率を体外培養により調べた。その結果、非組換え細胞を用いた核移植の結果と差違は認められなかった(表1)。
  4. 2~8細胞期へ発生した1736個の核移植胚を、14頭の仮親の卵管に移植した。その結果、4頭が妊娠し、9頭のクローン豚が誕生した。誕生したクローンの全てにおいて、EGFPの発現が認められたが、無事に成長したのは1頭のみだった(図2)。

図1

表1

図2
成果の活用面・留意点
  1. 本法は、形質転換細胞を短期間に得るのに優れた方法である。体細胞での遺伝子ターゲッティングへの応用も可能である。
  2. 本研究により得られたEGFP発現形質転換クローン胚は、EGFPを細胞マーカーとする研究への応用が可能である。例えば、豚胎児あるいは新生児へのEGFP発現細胞の移植により、体性幹細胞の可塑性に関する研究が新たに可能となると思われる。
図表1 226389-1.jpg
図表2 226389-2.jpg
図表3 226389-3.jpg
カテゴリ 豚 薬剤

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる