餡色が白く加工適性が優れるあずき新品種候補系統「十育146号(きたほたる)」

タイトル 餡色が白く加工適性が優れるあずき新品種候補系統「十育146号(きたほたる)」
担当機関 北海道立十勝農業試験場
研究期間 1993~2003
研究担当者 島田尚典
藤田正平
青山 聡
村田吉平
千葉一美
松川 勲
発行年度 2003
要約 あずき「十育146号(きたほたる)」は、北海道で栽培可能な白小豆系統で、「ホッカイシロショウズ」より餡色が白く明るい色調で、加工適性が優る。また、成熟期は「ホッカイシロショウズ」と同程度かやや早く、落葉病、茎疫病、萎凋病に抵抗性を持つ。
キーワード アズキ、白小豆、餡色、加工適性、落葉病抵抗性、茎疫病抵抗性
背景・ねらい 白小豆は高級和菓子の原料として珍重されており高値で取引されている。岡山県東部や兵庫県西部等で古くから特産的に生産されてきたが、本州では農業者の高齢化が進み、安定供給が困難で価格変動も非常に大きい。一方、北海道では白小豆の奨励品種「ホッカイシロショウズ」があるが、餡色がくすむため加工業者からは敬遠され、土壌病害抵抗性がなく成熟期が遅いこともあり普及していない。このため、加工業者からは、加工適性が優れる白小豆を北海道で安定供給することが要望されている。
成果の内容・特徴
  1. あずき「十育146号(きたほたる)」は、白小豆系統「93142(F6)」を母、兵庫県在来の白小豆が片親で落葉病・茎疫病(レース1)・萎凋病抵抗性の白小豆系統「十系590号」を父として、人工交配を行った後代から育成した系統である。
  2. 育成地での成熟期は、「エリモショウズ」より4日遅いが、「ホッカイシロショウズ」よりは2日早い(表1)。
  3. 「ホッカイシロショウズ」より、主茎長は短く、倒伏程度は小さい(表1)。
  4. 「ホッカイシロショウズ」より莢数は少なく、一莢内粒数が多く、子実収量は同程度である(表1)。
  5. 百粒重は「ホッカイシロショウズ」より軽く、種皮の外観は白く明るい色調である(表1)。
  6. 餡色は白く明るい色調で、加工適性は「ホッカイシロショウズ」より優れる(表2)。
  7. 落葉病、茎疫病、萎凋病抵抗性はいずれも「強」である(表1)。
  8. 耐冷性は「ホッカイシロショウズ」と同様に弱い(表1)。
成果の活用面・留意点 本系統は、北海道の道東の早生種栽培地帯を除く小豆栽培地帯に普及する。栽培上の注意は以下の点である。
  1. ピシウム苗立枯病に対して種皮色が赤色の品種より弱いので、チウラム水和剤F(40%)の塗抹処理による種子消毒を必ず行い、播種量を多めとする。
  2. 成熟期前後の降雨で腐敗粒が多発する場合があるので、刈り遅れを避け適期収穫に努める。
  3. 落葉病、茎疫病、萎凋病抵抗性は"強"であるが、栽培に当たっては適正な輪作体系を守る。
  4. 茎疫病発生圃場では、優占するレ-スにより多発する場合がある。
図表1 226476-1.gif
図表2 226476-2.gif
カテゴリ あずき 加工 加工適性 種子消毒 新品種 立枯病 抵抗性 播種 病害抵抗性 品種 輪作体系

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