赤肉で加工適性を有する暖地向けばれいしょ新品種「西海31号」

タイトル 赤肉で加工適性を有する暖地向けばれいしょ新品種「西海31号」
担当機関 長崎県総農林試
研究期間 1999~2005
研究担当者 田宮誠司
向島信洋
森一幸
中尾敬
発行年度 2005
要約 ばれいしょ「西海31号」はアントシアニン色素を含有しいもの肉色は赤色である。ポテトチップなどの油加工適性があり、でん粉価が暖地にしては高く、暖地二期作栽培に適する品種である。
キーワード ジャガイモ、アントシアニン、加工適性、暖地二期作栽培、高でん粉
背景・ねらい  国産ばれいしょの需要拡大のために、機能性が期待されるアントシアニン色素を含み、肉色の赤い品種が北海道農業研究センターで育成され、加工原料用として利用されている。しかし、北海道などの一期作産のばれいしょだけでは、6月から7月にかけて原料の供給ができない。そこで、暖地二期作栽培に適した赤肉ばれいしょ品種を育成し、一期作産と組み合わせた周年供給を可能とする。
成果の内容・特徴
  1. 「西海31号」は高でん粉で目が浅い「96016-8」を母、赤皮・赤肉の「長系115号」を父として、1999年秋作で交配を行い選抜・育成してきた品種である。
  2. アントシアニン色素を含有し(表1)、肉色が均一な赤色である(図1)。
  3. ポテトチップは標準の「トヨシロ」に比べ食感がやや堅いが、適性判定は同程度であり(表3)、揚げ上がりの色が均一で外観が優れる(図1)。
  4. でん粉価が春作で「デジマ」、「ニシユタカ」より3ポイント程度高く(表1)、秋作でも「デジマ」より2ポイント程度高い。
  5. 出芽が「デジマ」より春作で6日、秋作で2日早く初期生育に優れ、早晩性は「デジマ」より早い、中早生である(表1)。
  6. 株当たりのいも数は「デジマ」より多く、平均1個重は小さい。春作の収量は「デジマ」並であるが、秋作の収量は「デジマ」より劣る。(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 一期作産の端境期となる6月から8月にかけての加工原料用として、現地での栽培および収益性の検討を行う。
  2. 実需者と協力してポテトチップ以外の加工品の開発を図る必要がある。
  3. ジャガイモシストセンチュウ抵抗性を持たないため(表2)、発生地域での栽培を避ける。
  4. ジャガイモYウイルスには中~やや強の抵抗性を示すが、他の病害には概して弱いので適期防除を図る(表2)。
図表1 226600-1.jpg
図表2 226600-2.jpg
図表3 226600-3.jpg
カテゴリ 病害虫 加工 加工適性 機能性 需要拡大 新品種 抵抗性 春作 ばれいしょ 品種 防除

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