タイトル |
関東北部の転換畑におけるナタネ後ヒマワリの機械化栽培法 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター |
研究期間 |
2005~2007 |
研究担当者 |
松崎守夫
岡田謙介
安本知子
冨樫辰志
梅田直円
加藤仁
谷脇憲
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発行年度 |
2007 |
要約 |
関東北部のナタネ後ヒマワリの播種期は6月下旬となる。播種時期が梅雨にあたるため,転換畑では、小明渠浅耕播種機で地表排水を図る。播種後約1ヶ月の追肥は収量確保に有効である。機械収穫は、花床・茎水分が低下してからが望ましい。
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キーワード |
ヒマワリ、ナタネ後作、湿害、小明渠浅耕播種機、追肥
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背景・ねらい |
近年、地球温暖化対策として、油糧作物由来のバイオディーゼル燃料が脚光を浴びている。ナタネ・ヒマワリは油脂含有量が高く、国内でも導入可能な油糧作物と考えられる。また、ナタネとヒマワリを連続して栽培することで、単位面積から収穫できるバイオディーゼル燃料を多くすることができる。しかし、ナタネとは異なり、ヒマワリの機械栽培法はほとんど検討されていない。そこで、ナタネ後ヒマワリの機械化栽培体系を策定する。
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成果の内容・特徴 |
- 関東北部におけるナタネ後ヒマワリ栽培のプロトタイプを作成した(表1)。関東北部でのナタネ(キラリボシ)収穫期は6月中旬であるため,その後作ヒマワリ(春りん蔵:63M80)の播種期は6月下旬となる。播種期が梅雨にあたることが多いため,小明渠浅耕播種機(注)で地表排水を図る。
注)平成16年度関東東海北陸農業成果情報「ダイズの湿害軽減のための広畦成形・浅耕播種技術」 (http://www.naro.affrc.go.jp/top/seika/2004/kanto/kan04005.html)
- ナタネ後ヒマワリでは、播種後1ヶ月の追肥によって収量が増加する(図1)。追肥は葉、花を大きくすることで増収に寄与する。落ち種ナタネが発生した場合には、培土除草を行う。
- ヒマワリの千粒重は、苞が褐変した時期(表1:R9)以降増加しないとされている。しかし、その時期の花床、茎水分は80%程度と高く、機械収穫は困難である(図2)。花床、茎水分、さらに2週間程度は高いまま維持される。
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成果の活用面・留意点 |
- 本成果は、茨城県つくばみらい市の約2haの圃場で、4年間ナタネ-ヒマワリを栽培した結果に基づく。
- 生育中後期に地下水位が高い場合、小明渠浅耕播種機を用いても湿害を軽減できないため、排水不良の圃場では作付しないようにする。また、隣接水田がある場合、額縁明渠を施工して承水溝を設ける。
- 空梅雨の場合、6月下旬播種では、乾燥によって出芽数が減少することがある。出芽を確保するため,十分に砕土し、覆土深が浅くなり過ぎないようにする。
- 出芽時、収穫時にハト、カワラヒワの食害を受けることがあるので、注意を要する。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
病害虫
温暖化対策
乾燥
機械化
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