ルーメン微生物によるリグニン・ベンジルエーテル結合の分解

タイトル ルーメン微生物によるリグニン・ベンジルエーテル結合の分解
担当機関 京都大学
研究期間 1997~2001
研究担当者 梶川博
近藤恒夫
工藤博
渡辺隆司
発行年度 2001
要約 非フェノール性三量体のベンジル(α)エーテル結合はルーメン微生物による分解を受けないが、非フェノール性二量体、フェノール性三量体および一部フェノール残基を含むリグニン重合体のベンジルエーテル結合は嫌気的に解裂される。
キーワード 家畜生理・栄養、乳牛、リグニン、ルーメン微生物、ベンジルエーテル結合、嫌気的分解
背景・ねらい リグニンは植物組織内で反芻家畜に最も利用されにくい画分であるが、その一部はルーメン内で分解されることが報告されている。ところでリグニンはフェニルプロパン骨格が様々な様式で結合したヘテロな重合体であり、リグノセルロースの利用をさらに進めるためには、それらの結合のルーメン微生物による分解の難易度を明確にする必要がある。ベンジルエーテル結合はリグニンと炭水化物間の主要な結合様式と考えられているが、本研究ではリグニン構造体に蛍光物質をα位でエーテル結合した種々のモデル化合物を合成してルーメン微生物によるその分解の可能性を検討した。
成果の内容・特徴 1.
4-メチルウンベリフェロン(分離により蛍光を生じる)をベンジルエーテル結合で取り込んだ非フェノール性の二量体(VAU)、フェノール性および非フェノール性の三量体(それぞれGGUおよびGGU-ET)、および一部フェノール残基を含むリグニン重合体(F-DHP)を合成した(図1)。
2.
VAUは抗細菌剤存在下では分解が見られなかったが、抗真菌剤存在下では8時間以内に完全に分解した(図2A)。
3.
GGUは自己分解性を持つ物質であるが、ルーメン微生物との培養により、抗細菌剤および抗真菌剤存在下でともに分解が促進された(図2B)。またGGU-ETは、阻害剤非存在下においてもルーメン微生物による分解は見られなかった(図2C)。
4.
F-DHPは抗細菌剤および抗真菌剤存在下で、ともに一部の分解が見られた(図2D)。
5.
上述の成果から、二量体のベンジルエーテル結合およびフェノール性の三量体以上のリグニン中ベンジルエーテル結合は、ルーメン微生物により分解されることが示された。
成果の活用面・留意点 1.
リグニン中のベンジルエーテル結合には、ルーメン内での分解性が高いものがあることが判明した。
2.
リグニンにはベンジルエーテル結合以外にも、β-エーテル結合やC-C結合をはじめとした種々の結合様式が存在する。そのためリグニンの利用性を高めるための研究方向としては、どの結合がルーメン微生物の分解に対する抵抗性が高いかをランク付けすることが重要である。
3.
今後、これらベンジルエーテル結合以外の結合様式の分解性を測定する実験系を確立する必要がある。
図表1 226701-1.gif
図表2 226701-2.gif
カテゴリ 抵抗性 乳牛

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる