トウモロコシ細断ロールベールラップサイロの解体方法

タイトル トウモロコシ細断ロールベールラップサイロの解体方法
担当機関 (独)農業技術研究機構 畜産草地研究所
研究期間 1999~2001
研究担当者 喜田環樹
菊池 豊(生研機構)
吉村義則
山名伸樹
市戸万丈
志藤博克
松尾守展
石川文武
村井 勝
天羽弘一(現東北農研)
発行年度 2001
要約 トウモロコシの細断ロールベールは、細断材料をロールベール成形するため高密度・高品質なサイレージ調製が可能であり、作業台、ロールベールグラブ・解体台を用いることにより省力的なロールベール解体搬送が可能できる。
キーワード トウモロコシ、作業、細断ロールベール、ラップサイロ
背景・ねらい 牧草調製においてロールベールラップサイロ体系は広く普及しているが、トウモロコシ等の長大型飼料作物ではロールベール成形が困難である。しかし、生研機構で開発されつつある細断型ロールベーラにより、トウモロコシもロールベール成形・ラップサイレージ調製が可能となってきている。そこでトウモロコシ細断ロールベールラップサイロの特徴およびその解体方法を提示する。
成果の内容・特徴 1.
細断ロールベールラップサイロの特徴:トウモロコシ細断ロールベールは、ロールの形状が径90cm×幅90cm、重量400kg、乾物換算密度は220kg/m3程度であり、ロール円柱面を幅広ネット(幅120cm)により被覆して形状を保持する(図1)。ラップフィルムの重複率50%、6層巻きで高品質なサイレージ調製が可能であり、1年以上保存した場合でも発酵品質は良好に保持される。
2.
ラップサイロ解体作業方式の提案:細断ロールベールラップサイロは材料が細断されており、ラップフィルム・ネットの切除により簡易に解体可能であるが、サイレージ搬送面での作業強度が大きいことから、以下の2つの解体方式を提案する。
(1)作業台方式:ラップサイロを作業台上に載せ、カッターナイフ等を用いて手作業にてラップフィルム・ネットを切除し解体する(図2)。サイレージは作業台下に設置したベルトコンベヤに落とし込み、搬送する。本作業方式の解体時間は11分/個程度で、サイロ解体個数が少ない場合に有効である。
(2)ロールベールグラブ・解体台方式:トラクタ装着式ロールベールグラブでラップサイロの貯蔵場所から搬送し、次に切断刃を装備した解体台にロールを押し付け、ラップフィルム・ネットを切断してサイロを解体する。サイレージは貯留ボックスから搬送コンベヤで排出される(図3)。ラップフィルム・ネットはフィルム脱落防止用にグラブに装着したスパイクボルト(先端を研磨、長さ20cm程度)部に残り、サイレージと分離される。トラクタによる搬送とサイロ解体迄の一貫作業により、解体時間は6分/個程度となり、サイロ解体個数が多い場合に有効である。
成果の活用面・留意点 1.
ロールベールの給与個数、給飼方式等に適したラップサイロ解体方式を選択できる。
2.
飲料工場から排出される麦茶残渣は腐敗しやすいため、速やかにサイレージ調製することに留意する必要がある。
図表1 226710-1.gif
図表2 226710-2.gif
カテゴリ 飼料作物 とうもろこし 麦茶

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