背線高・体重測定システム

タイトル 背線高・体重測定システム
担当機関 (独)農業技術研究機構 畜産草地研究所
研究期間 2000~2002
研究担当者 阿部佳之
伊藤信雄
一柳まさみ(富士平工業)
中野貞雄(富士平工業)
梅田直円
福重直輝
発行年度 2002
要約 背線高・体重測定システムは、牛の背線高と体重の省力的測定と発育の把握を支援する。背線高の繰返し測定の変動係数は0.8%と小さく、背線高と体高は高い相関を示す。また、背線高・体重の測定作業時間は慣行法の36%に短縮される。
キーワード 飼養管理、背線高、体重、牛、発育、生体情報、作業時間
背景・ねらい
牛の体型は、牛の発育状態を把握するうえで重要な生体情報の一つであるが、労力不足や測定の煩雑さ等の理由で測定されないことが多い。これまでに部位を特定せずにセンサで測定可能な発育指標として、背線の高さの平均値を背線高と定義している。
そこで、背線高と体重を省力的に測定できる背線高・体重測定システム(背線高システム)を開発し、12~24ヶ月齢ホルスタイン種育成牛を対象に実証的試験を行い測定精度および作業性について検討する

成果の内容・特徴
1.
背線高システムを図1に示す。本システムは、枠場付き体重計、背線高測定装置、個体識別装置、表示パネル付き制御装置等から構成されている。枠場付き体重計に牛を入れスイッチを押すと体重が測定される。出口扉を開くと、枠場付き体重計から退出した牛の背線高が背線高測定装置で測定され、背線高、体重、個体番号等のデータが制御装置のメモリカードに記録される。
2.
制御装置の表示パネルには牛番号、前回測定した背線高・体重、今回測定した背線高・体重が表示される。前回の測定値を基準とした上下限値を設定することができ、今回の測定値が設定値の範囲を越えた場合にはエラーを表示することができる。メモリカードに記録された測定データは容易にパソコンへ転送でき、市販表計算ソフトでの集計が可能である。
3.
のべ147頭について背線高と体高を測定した結果、相関係数0.885と高い相関を示す(図2)。また、18頭の牛について背線高を繰返し測定した結果、変動係数は0.2~1.6%の範囲にありその平均は0.8%である。同様の測定を体高でした場合の変動係数は1.2%であることから、本システムは育成牛の発育把握を支援するための信頼性を持つ。
4.
デジタル体重計と体尺計を用いた慣行法と背線高システム(ただし追い込みから枠場退出開始までを体重に要する作業時間とする)で体重、背線高・体高を測定した場合の1頭あたりに要する作業時間を図3に示す。1頭当たり作業時間は、慣行法で120秒、背線高システムでは44秒要し、慣行の36%に短縮でき、省力化が図られる

成果の活用面・留意点
1.
体高を育成牛の発育目標としている牧場等に簡易な発育把握法として有効である。
2.
平成15年度より市販予定である
3.
背線高測定装置単独で背線高を測定することもできるが、牛群からの分離作業等の安全性等を考慮すると枠場を併用する方が効果的である。
図表1 226766-1.gif
図表2 226766-2.gif
図表3 226766-3.gif
カテゴリ 飼育技術 省力化

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