タイトル | 2回刈り体系の飼料イネの乾物率、単少糖、緩衝能とサイレージ発酵品質 |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 九州沖縄農業研究センター |
研究期間 | 2000~2003 |
研究担当者 |
服部育男 佐藤健次 小林良次 |
発行年度 | 2003 |
要約 | 飼料イネの乾物率は1、2番草ともに生育に伴って高まり、乳酸緩衝能は2番草が1番草より高い。単少糖含量は3.4~6.4%の範囲で推移する。飼料イネサイレージの発酵品質は乾物率に正の、緩衝能に負の影響を受ける。 |
キーワード | 飼料イネ、2回刈り、サイレージ、貯蔵性、化学成分、飼料利用 |
背景・ねらい | 自給飼料基盤の拡大をめざし、飼料イネの生産が推進され、栽培面積は年々拡大している。九州地域では2回刈り栽培が可能であるが、2回刈り条件における飼料イネのサイレージ適性は明らかにされていない。そこで、サイレージ発酵に影響を及ぼす化学的成分のうち、乾物率、乳酸緩衝能、単少糖含量について2回刈り条件下における推移を調査し、それらがサイレージの発酵品質に及ぼす影響を明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. 乾物率は両品種ともに1番草では生育に伴って高まる傾向を示し、2番草も生育に伴って高まるが「モーれつ」は51日目以降ほぼ一定の値で推移する(表1)。 2. 単少糖含量は両品種ともに3.4~6.4%の範囲で推移する。「モーれつ」は1番草で「スプライス」より若干低く、2番草ではやや高い値で推移する(表1)。 3. 乳酸緩衝能は両品種ともに2番草は1番草より高い値で推移する。これは乳酸緩衝能の由来のひとつである粗蛋白質含量が2番草で1番草より高い値で推移するためである(表1)。 4. パウチ法で調製したサイレージの発酵品質は1番草では両品種ともにV-SCOREが60点前後で推移し、2番草では乾物率が低い40日目および「スプライス」の51日目が劣質である。2番草は生育に伴ってV-SCOREが向上する傾向を示す(図1)。 5. 飼料イネサイレージの発酵品質は乾物率に正の、乳酸緩衝能に負の影響を受ける(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 飼料イネのサイレージ発酵品質と化学的要因との関係を検討する場合、および品質改善処理法の開発時の参考となる。 2. 実規模では詰め込み密度などの物理的要因、乳酸菌数などの微生物学的要因について考慮する必要がある。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
カテゴリ | 品種 |