タイトル | 特異抗体を用いてウシインターフェロンτを測定できる |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 畜産草地研究所 |
研究期間 | 1997~2002 |
研究担当者 |
岡野 彰 下司雅也 犬丸茂樹(動物衛生研) 高橋ひとみ 高橋昌志 平子 誠 |
発行年度 | 2005 |
要約 | 妊娠認識のシグナルとして知られているウシインターフェロン(bIFN)τならびに特異抗体を作製し、測定系を確立した。類縁物質と交差反応が無く、bIFNτを特異的に検出し測定することができる。 |
キーワード | 家畜育種・繁殖、ウシ、ウシインターフェロンτ、放射免疫測定法 |
背景・ねらい | 反芻動物において、受胎産物由来のインターフェロン(IFN)τ は妊娠認識のシグナルとして知られている。ヒツジIFNτの免疫測定法が報告されているものの、ウシ(b)IFNτに特異的な測定系は確立されていない。 そこで bIFNτ;ならびに抗体を作製し、測定系の確立を試みる。 |
成果の内容・特徴 | 1. 体外受精由来ウシ胚盤胞より栄養膜細胞を分離し、シグナルペプチド領域を含む bIFNτのcDNAをクローニングして組換え(rb)IFN&τを作製した。このrbIFNτを家兎に免疫し、抗血清を調整した。クロラミンT法によりrbIFN&τを125Iで標識し、抗bIFN&τ抗体との結合率を検討したところ、作成した抗血清は8000倍と高希釈倍率での使用が可能である(図1)。 2. 7.8∼1000 ng/mL範囲で良好な標準曲線が得られ、測定感度は 0.3 ng/tube (6.1 ng/mL)と高い(図2)。また、7.8 ng/mLでの測定内変動係数は 7.1%、測定間変動係数は 11%であり、測定の再現性は高い。 3. bIFNτ 類縁物質である rbIFNα、組換えヒト IFNβ、組換えヒツジIFNτとの交差反応は認められず、本抗体の特異性は高い。また、栄養膜細胞培養上清の段階希釈液と標準曲線が平行する (図2)。 4. 3種類の培養上清に rbIFNτを添加し、本抗血清を用いて測定した結果、総回収率は 104.6%であることから、本測定系は rbIFNτの特異的な測定系である(表1)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 妊娠経過と子宮内におけるbIFNτの分泌動態に適用して必要量を明らかにすることで、受精卵移植における早期胚死滅の要因解明や受胎率向上技術への活用が期待される。 2. 本成果で得られたbIFNτ抗体は、酵素標識を利用したものなど様々な測定法に利用できる。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | 育種 受精卵移植 受胎率向上 繁殖性改善 羊 |