タイトル | イタリアンライグラスのアクチン遺伝子からの新規プロモーター単離 |
---|---|
担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 畜産草地研究所 |
研究期間 | 2002~2005 |
研究担当者 |
佐藤広子 高溝 正 間野吉郎 藤森雅博 清多佳子 |
発行年度 | 2005 |
要約 | イタリアンライグラスのアクチン遺伝子から単離したプロモーターは、トールフェスクのカルス、葉、根において遺伝子を発現させる。また、本プロモーターは既存の構成的プロモーターと比較して、トールフェスクにおいて安定した発現を示す。 |
キーワード | イネ科牧草、プロモーター、形質転換、飼料作物育種 |
背景・ねらい | 遺伝子組換え技術を用いて導入された遺伝子を安定的に発現させるためには、遺伝子の発現を調節するプロモーターの選択が重要である。また、飼料作物独自のプロモーターが単離できれば、既存特許の回避、宿主内での安定した発現、PAに配慮した組換え体を作出できる。そこで、イタリアンライグラスからアクチンプロモーターを単離し、レポーター遺伝子(GUS)と連結して導入したイネ科飼料作物組換え体におけるプロモーターの発現力を検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 本プロモーターは、イタリアンライグラスのアクチン遺伝子群の中から器官ごとに作製されたcDNAライブラリー(Ikeda et al. 2004)中に存在するアクチン遺伝子(LmAct1)の上流域をプロモーター部位として単離したものである(図1)。 2. LmAct1プロモーターと連結したGUS遺伝子を導入したトールフェスク組換え体は、カルス、葉、根において遺伝子発現が認められ、構成的な発現を示し、組織、器官特異性はない(表1、図2)。 3. LmAct1プロモーター、構成的プロモーターとして用いられるカリフラワーモザイクウイルス35S(CaMV35S)及びイネアクチン(RiceAct1)プロモーターのGUS遺伝子の発現力は、イネにおいてはいずれも強い。一方、トールフェスクではLmAct1プロモーターは均一で強い発現力を示すが、CaMV35SプロモーターとRiceAct1プロモーターの発現力は弱く、均一ではない(図3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. フェスク類、ライグラス類の組換え体を作出する時に、安定した発現を示す構成的プロモーターとして利用できる。 2. 本プロモーター配列は、既存特許に含まれるアクチンプロモーター配列との相同性が極めて低い。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 育種 イタリアンライグラス カリフラワー 飼料作物 |