組換え体作出に適した生長点由来カルスから再分化するシバ中間母本「E-GEN」

タイトル 組換え体作出に適した生長点由来カルスから再分化するシバ中間母本「E-GEN」
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
研究期間 2000~2006
研究担当者 小林 真
蝦名真澄
高溝 正
霍田真一
発行年度 2006
要約 「E-GEN」は生長点から誘導したカルスから再分化し、同じ遺伝子型のカルス・再分化個体を大量に得ることができるので組換え体開発に有用である。シバさび病に顕著な罹病性を示すため、病害抵抗性の研究材料としても使うことができる。
キーワード 緑化植物、シバ、再分化、シバさび病、生長点、飼料作物育種
背景・ねらい シバ(Zoysia japonica Steud.)は牧草・芝草として重要な地位を占めており、今後は校庭・屋上・畦畔等の緑化利用が期待されているが、これらの利用条件に適した品種を育成するためには遺伝子組換え等による新規形質導入の必要性が高い。遺伝子組換えによる品種育成には培養系の確立が必須であるが、遺伝的に雑駁な種子からのカルス誘導・再分化例はあるものの、生長点からの再分化例はない。均一な遺伝子型を有する生長点からの脱分化・再分化能が高い系統の開発を目的とした。
成果の内容・特徴
  1. シバ市販種子から再分化能で選抜した品種「E-GEN」は、生長点を外植体として脱分化・再分化を繰り返しても安定的に再分化し、組換え体の作出に有用である(写真1、2)。
  2. 「E-GEN」はシバさび病に顕著な罹病性を示すため、病害抵抗性検定圃場の感染源としてや抵抗性機作解明のための研究材料として有用である(写真3)。
  3. 「E-GEN」は穂色が濃く小穂幅が大きいが、初期生育・匍匐茎の伸長性・春の草勢・越夏の良否が他の品種より劣るため、実用品種としての栽培には適しない(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 「E-GEN」は栄養系で増殖するため、匍匐茎の生長点から同じ遺伝子型のカルス・再分化個体を大量に得ることができる。
  2. 「E-GEN」は種子稔性が低いため、交配親としての利用は困難である。
  3. さび病の発生が多い場合には、「E-GEN」は越冬前に葉身の殆どが枯死するため、関東以北では栄養系は露地だけではなく温室等での重複保存が望ましい。
図表1 227125-1.jpg
図表2 227125-2.jpg
図表3 227125-3.jpg
図表4 227125-4.gif
カテゴリ 育種 飼料作物 抵抗性 病害抵抗性 品種

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