タイトル |
北関東で越冬可能なサトウキビ近縁遺伝資源 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所 |
研究期間 |
2002~2006 |
研究担当者 |
安藤象太郎
杉浦 誠(近中四農研)
山田哲也(作物研)
勝田真澄(作物研)
寺島義文(九州沖縄農研)
杉本 明(九州沖縄農研)
松岡 誠(九州沖縄農研)
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発行年度 |
2006 |
要約 |
北関東で越冬可能なサトウキビ近縁遺伝資源を選抜するための圃場試験を行ったところ、サトウキビ近縁遺伝資源リピディウム属のJW 630とサトウキビ近縁野生種スポンタニウムのJW 599だけが越冬し、植付けした年より株出し栽培で乾物収量が多い。
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キーワード |
サトウキビ、越冬性、乾物収量、リピディウム、スポンタニウム、草地生産管理
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背景・ねらい |
二酸化炭素排出量の削減目標達成に向け、再生可能なバイオマスエネルギーの開発が求められている。サトウキビ近縁遺伝資源にはバイオマス生産量の大きい系統があることが知られており、これに低温生育性や越冬性を付与すれば、関東地方以南で多収生産が可能なバイオエタノール等の有望な原料作物になる。そこで、多様なサトウキビ近縁遺伝資源を用いて、関東地方でも生育可能な系統を選抜する。
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成果の内容・特徴 |
- サトウキビ栽培種、サトウキビ交雑系統、サトウキビ近縁野生種、サトウキビ近縁遺伝資源であるリピディウム属とエリアンサス属、対照作物(ネピアグラス)の苗、全24系統を畜産草地研究所(那須塩原市)の畑圃場に2003年6月に移植し11月に収穫した。越冬した系統は2004年、2005年、2006年と株出し栽培を続けた。
- 24系統のうちJW 630(リピディウム属)とJW 599(サトウキビ近縁野生種スポンタニウム)だけが越冬できる(図1)。しかし、ネピアグラスや日本で最も多く栽培されているサトウキビ品種「農林8号」は越冬することができない。国際農林水産業研究センター(つくば市)の畑圃場では良好な越冬性を示したサトウキビ近縁野生種であるJW 49、JW 385、US 56-15-2は、1月の平均気温が0℃近くまで下がる(図2)畜産草地研究所(那須塩原市)では越冬することができない。
- JW 630とJW 599の乾物収量は、1年目は少なかったが、株出し栽培では増加する(図3)。株出し栽培3年間の平均乾物収量は、1株あたりJW 630で2.6 kg、JW 599で1.5 kgである。株出し栽培においてJW 630の萌芽は、前年までの株が出ていた中心部には形成されず、同心円状の外側に発生する。一方、JW 599は多数の萌芽を出し面状に広がる。
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成果の活用面・留意点 |
- エネルギー生産用、飼料用、高付加価値物質生産用のサトウキビの開発が進められている。こうしたサトウキビの栽培可能な地域を拡大するために、JW 630やJW 599を育種素材として用いることができる。
- 実際の乾物収量を求めるためには、密植での圃場栽培試験を行う必要がある。
- JW 630とJW 599は農業生物資源ジーンバンクに保存されている。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
育種
遺伝資源
高付加価値
さとうきび
飼料用作物
バイオマスエネルギー
品種
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