温暖地・普通植向き桑系統「本85−88」の選出

タイトル 温暖地・普通植向き桑系統「本85−88」の選出
担当機関 蚕糸・昆虫農業技術研究所
研究期間 1995~2001
研究担当者 小山朗夫
町井博明
山ノ内宏昭
長沼計作
片桐幸逸
木内美江子
横山忠治
松島幹夫
尾暮正義
原島典雄
発行年度 1995
要約 桑育成系統「No.3003」に桑品種「おおゆかた」を交雑し、温暖地向き桑系統「本85-88」を選出した。本系統は夏切、春切ともに「しんいちのせ」より10%以上多収である。枝条の伸長は劣るが、条径は「しんいちのせ」なみで、樹型はやや展開であることから、普通植桑園に適するものと考えられる。
背景・ねらい 近年、密植桑園が普及しつつあり、桑の育種も密植適性に主眼を置いてすすめられている。しかし、機械化が困難な山間傾斜地の桑園を利用している中~小規模の養蚕農家の割合も少なくない。したがって、従来から求められてきた多収性、高飼料価値、病虫害低抗性などの一般的な優良特性を備えた普通植桑園に適する桑品種の育成も引き続き重要な課題である。そこで、昭和60年に「白鼠返」と「十島」の交雑に由来する育成系統「No.3003」に「おおゆかた」を交雑し、得られた実生を昭和61年~平成元年に個体選抜、平成3~7年には系統選抜に供試する。
成果の内容・特徴
  1. 「本85-88」の春の発芽は「しんいちのせ」より数日早く、新梢の生育も良好である。裾上りはやや多いが、先端から基部までいずれの部位の新梢も比較的大きな葉を着生するため、繁茂感がある(表 1)。
  2. 夏切後の枝条伸長は「しんいちのせ」より劣るが、枝条数は大差ない(表 2)。枝条の生育は不揃いな傾向にあり、樹型はやや展開である。
  3. 夏蚕期中間伐採後の再発芽数は「しんいちのせ」程度であるが、再発枝の伸長は劣る(表 2)。晩秋期の葉の硬化はやや早い。縮葉細菌病の発生は春切ではやや多いが、夏切ではほとんど発生しない。
  4. 収量は夏切、春切ともに「しんいちのせ」に比較して10%以上多く、晩秋~晩々秋蚕期の葉量割合が高い(表 3)。
成果の活用面・留意点 本系統は平成9年度から群馬及び大分県において桑系統適応性検定試験に供試する予定である。
図表1 227296-1.jpg
図表2 227296-2.jpg
図表3 227296-3.jpg
カテゴリ 病害虫 育種 カイコ 機械化 桑 傾斜地 多収性 品種

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