2次元フーリエ変換赤外分光を用いたフィブロイン蛋白質のダイナミクス解析法

タイトル 2次元フーリエ変換赤外分光を用いたフィブロイン蛋白質のダイナミクス解析法
担当機関 蚕糸・昆虫農業技術研究所
研究期間 1996~1996
研究担当者
発行年度 1996
要約 時間分解型フーリエ変換赤外分光装置で構造蛋白質分子のダイナミクスを解析する装置を考案し、外部応力に対するフィブロイン蛋白質のダイナミクスについて解析を行った。
背景・ねらい 構造蛋白質はしなやかな弾カ性に富み、生体組織を形成する重要な役割を果たしている。絹フィブロインも昆虫が持つ代表的な構造蛋白質の1つで、分子の微細構造やダイナミクスと機能の関連を解明することにより、さらに付加価値の高い新しい蛋白質素材として利活用が期待できる。同時に生体分子のダイナミクス分析技術の開発と応用は、構造蛋白質の新しい物性解明とともに、人工筋肉等の新しいバイオマテリアルの設計に必要な知見がもたらされる。
成果の内容・特徴
  1. 薄膜状に調製した試料の外部応力に対応するダイナミクスを解析するため、時間分解型フーリエ赤外分光器の測定試料に微小振動歪みを与えるストレッチャーを組み合わせ、測定試料の配向に伴う吸収強度の変化を測定する装置を開発した(図1)。
  2. このデータ解析法は、独立した2つの波数に対して吸収強度の変化をプロットし、赤外吸収スペクトルを多次元的に表示できる。この方法により吸収ピークの分解能は飛躍的に向上し、官能基の性質や立体配座等の化学的な情報のみならず、分子の粘弾性や物理的諸性質に関する情報もピークの位置と強度として得ることができる(図2)。
  3. フィブロイン蛋白質の力学的な刺激に対応するダイナミクスの解析を行い、同蛋白質分子には、らせん構造やシート構造等の2次構造が特有の比率で混在し、各2次構造は外部からの力学的な応力に対して、それぞれ固有のダイナミクスを持つことが明らかにされた。
成果の活用面・留意点 非常に微弱な吸収スペクトルの変化を分析するため、装置の保守・管理を常時入念に行う必要がある。絹フィブロイン以外の生体素材や機能性生体分子の特性解明に利用できる。
図表1 227319-1.jpg
図表2 227319-2.gif
カテゴリ 機能性 分析技術

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