| タイトル |
昆虫体液の大量採取技術 |
| 担当機関 |
蚕糸・昆虫農業技術研究所 |
| 研究期間 |
1997~2000 |
| 研究担当者 |
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| 発行年度 |
1997 |
| 要約 |
カイコやハスモンヨトウ、アワヨトウ等鱗翅目昆虫を、凍結融解処理を施すことにより効率的に昆虫体液を採取する技術を開発した。
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| 背景・ねらい |
近年、医療用や食品工業等の分野で用いられる希少有用蛋白質を、少ないエネルギーで大量に生産させる技術が強く望まれている。カイコは外来遺伝子の発現効率が大腸菌等を使った場合と比して高く、活性の高い組み換え蛋白質を大量に生産させる手段として着目されている。カイコを用いた新しい製薬システムを構築するためには、虫体内で発現した有用蛋白質を含む昆虫体液を大量に採取する技術が必要である。また、昆虫体液は細胞培養実験に使用することが多いため、安価な体液採取技術を確立する。
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| 成果の内容・特徴 |
- カイコやハスモンヨトウ、アワヨトウ鱗翅目昆虫等の幼虫は、一度凍結させた虫体を融解させると、その過程で大きく収縮する現象を示す(図1)。この現象を応用し、効率的に昆虫の体液を採取する方法を開発した(凍結融解法)。
- この方法は、最初に麻酔をかけた状態の幼虫を-30℃の70%エタノール水溶液中で凍結させる。つぎに、凍結した状態で腹脚を切除し、メラニン化阻害剤を入れた緩衝液中で融解させる。体液は融解過程で生ずる収縮現象によって、腹脚を除去した痕から緩衝液中に直接放出される。
- この方法を用いて、5齢のカイコから70%前後の効率で体液を採取できるようになった(表1)。また、アワヨトウおよびハスモンヨトウの幼虫についても効率的に体液を採取することができた。
- 本法は、専用の設備を必要とせず、煩雑な操作を必要としない。また体液採取前に昆虫を完全に凍結させるため、試料の長期保存が可能である。同時に組み換えウイルスのカイコ体内における増殖および目的物質の生産・蓄積を任意の時間で停止させることができる。
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| 成果の活用面・留意点 |
本方法は、様々な昆虫の体液採取法として応用することが可能である。
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| 図表1 |
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| 図表2 |
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| カテゴリ |
あわ
カイコ
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