絹タンパク質繊維の微細化と鮮度保持材への利用

タイトル 絹タンパク質繊維の微細化と鮮度保持材への利用
担当機関 蚕糸・昆虫農業技術研究所
研究期間 1998~1999
研究担当者
発行年度 1998
要約 ガラスビーズ等による衝撃破砕処理法を用いてタンパク質繊維を細かく開裂させるフィブリル製造方法を開発した。これにより分離細繊維の製造が可能となり、分離細繊維は生鮮農産物の鮮度保持材の素材として使用できる。
背景・ねらい タンパク質繊維のフィブリル微細化技術の開発によって得られる極細繊維は糸表面の活性化と表面積が飛躍的に増大するので、通常のタンパク質繊維では見られない特性、機能性が発現すると期待される。カイコが吐糸した一本のフィブロイン繊維は直径が0.2~0.4μmの数百本のフィブリルの集合体から成り立っている。従来はフィブリル分子間の水素結合が極めて強いため、絹タンパク質繊維をフィブリル形態に開裂して極細繊維化することは不可能であった。そこで、アルカリ水溶液で前処理し、これを物理的方法でフィブリルを分離する方法を開発し、フィブリルを利用した素材開発を目的とする。
成果の内容・特徴
  1. 家蚕生糸をあらかじめ繊維長約5mmに切断したものを、1.5%水酸化カリウム水溶液で50℃、200mlの一夜間精錬処理する。水洗後、サンプルをビーズ衝撃破砕機(粒径0.5mmΦのガラスビーズ)で30分間処理する。処理したフィブリル繊維分散液を上澄み液として採取、水洗する。得られたフィブリルの形態は図1の通りである。
  2. ガラスビーズ、石英、海砂を用いたビーズ衝撃破砕処理により、フィブロイン繊維を繊維軸と垂直な横方向の切断(繊維の切断)のみならず、繊維軸と平行な縦方向にも細かく開裂させたフィブリルを作出した。
  3. 開裂させたフィブリル化繊維は概ね直径0.2μm、長さ2mm程度の形態を持ち、この素材は生鮮農作物の鮮度保持材として使用できる(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. この製造方法で得られるフィブリル化繊維は金属イオン等の吸着フィルター、酸素の固定材等への利活用が期待される。
  2. 本微細化技術は野蚕由来の絹蛋白質繊維及び動物由来のケラチン繊維にも適用できる。
  3. 大量に製造する場合、処理後のサンプル中にビーズが混入しないように留意する必要がある。
図表1 227368-1.jpg
図表2 227368-2.jpg
カテゴリ カイコ 機能性

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