硫酸化絹フィブロインの抗血液凝固機構

タイトル 硫酸化絹フィブロインの抗血液凝固機構
担当機関 蚕糸・昆虫農業技術研究所
研究期間 1999~1999
研究担当者
発行年度 1999
要約 濃硫酸により調製した硫酸化絹フィブロインは、フィブリンに作用することにより血液凝固を阻害し、クロロ硫酸処理による硫酸化絹フィブロインは、ヘパリンと同様にアンチトロンビンⅢの活性化による凝固因子活性の阻害により血液凝固を阻止する。
背景・ねらい 硫酸化絹フィブロインには抗血液凝固作用があることを見出したが、この硫酸化絹フィブロインを新しい抗血液凝固物質として実用化するためには、その抗血液凝固機構を解明する必要がある。そこで、血液凝固機構に含まれる各種の要因に対する硫酸化絹フィブロインの作用を検討することにより、硫酸化絹フィブロインの抗血液凝固機構を解明した。
成果の内容・特徴
  1. 絹フィブロインをクロロ硫酸処理することにより、濃硫酸処理した硫酸化フィブロイン(SFIB)よりも50倍以上の抗血液凝固活性をもつ硫酸化絹フィブロイン(SclFib)を創出できた(図1)。
  2. SFIBはアンチトロンビンⅢ(ATⅢ)の存在に関わらず、凝固因子Ⅱa、凝固因子Ⅹaを阻害しなかったこと等から血液凝固機構の最終段階であるフィブリンに作用することにより、血液凝固を阻害しているものと推察できた(図2)。
  3. SclFibは、ATⅢの存在下で凝固因子Ⅱaと凝固因子Ⅹaを阻害したがATⅢ非存在下では両者を阻害しなかったこと等から、ヘパリンと同様にATⅢ活性化による凝固因子Ⅱaや凝固因子Ⅹaの阻害により血液凝固を阻止している機序が示唆された(図2)。
成果の活用面・留意点 血液検査用途や抗血栓性素材開発用途としての展開が可能であるが、実用化のためには臨床現場での各種試験による詳細な検討が必要である。
図表1 227385-1.gif
図表2 227385-2.gif
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