タイトル |
MAP(Modified Atmosphere Packaging)によるキャベツセル成型苗の貯蔵 |
担当機関 |
野菜・茶業試験場 |
研究期間 |
1997~1997 |
研究担当者 |
永田雅靖
山下市二
壇 和弘
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発行年度 |
1997 |
要約 |
MAPによるキャベツセル成型苗の貯蔵最適雰囲気条件は、O↓2 2%/CO↓2 8%または、O↓2 16%/CO↓2 20%である。貯蔵可能期間は2週間以内で、貯蔵前の苗は緑色が濃く充実していることが必要である。
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キーワード |
MAP、キャベツセル成型苗、雰囲気条件野菜・茶業試験場 生理生態部 輸送貯蔵研究室
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背景・ねらい |
プラスチックフィルム袋で野菜や果実を密封包装し、呼吸作用とフィルムのガス透過性を利用して、雰囲気を低O↓2 /高CO↓2 状態にするMAPは、簡便で経済的なことから、収穫物の鮮度保持技術として広く利用されている。一方、野菜生産の機械化を促進する上で、苗の貯蔵技術の確立が望まれている。そこで、キャベツセル成型苗のMAP貯蔵の可能性を探る。
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成果の内容・特徴 |
- キャベツ‘金系201号’コート種子を128穴セルトレイに播種、育苗した。MAP用包装資材は、大きさ76x95cm、厚さ0.1mmのポリエチレン袋またはナイロン/ポリエチレン積層フィルムである。MAPによる雰囲気制御の苗徒長抑制効果を確認するため、雰囲気以外は、徒長し易い貯蔵条件(暗所、温度15℃)とし、苗は貯蔵前に十分に灌水した。
- セル成型苗をトレイごと密封包装して、呼吸作用だけで雰囲気を低O↓2 /高CO↓2 状態にすることは困難であり、Active MAP(ガス置換後密封)法を採用する必要がある(図1)。
- 低O↓2(O↓2 2%)単独雰囲気で、対照の空気条件区よりも緑色が保持されるが、徒長および葉数の増加を抑制することはできない(表1)。
- CO↓2 20%で、低O↓2 を併用しない雰囲気(高CO↓2 単独)で、徒長および葉数の増加を抑制することができる。貯蔵期間2週間の場合、活着率は高く、満足すべき収穫量が得られる。3週間貯蔵では苗に障害が発生し、定植するに至らない(表1)。
- O↓2 2%/CO↓2 8%の低O↓2 と高CO↓2 併用で、徒長および葉数増加抑制効果がある。また、苗の緑色が保持され、定植後の活着率は高い(表1)。しかし、CO↓2 が10%を越えると、苗に障害が発生する(データ省略)。
- 貯蔵前の苗は、緑色が濃く、充実している必要がある(表1)。
- 貯蔵後に緑色を維持していても、障害が発生した苗では、葉身のアスコルビン酸含量の低下が認められた(表1)。
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成果の活用面・留意点 |
苗貯蔵条件改善の基礎資料とする。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
育苗
機械化
キャベツ
栽培技術
鮮度保持技術
茶
播種
保存・貯蔵
輸送
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