茎径肥大速度を目標値とした噴霧耕によるかん水制御(研究)

タイトル 茎径肥大速度を目標値とした噴霧耕によるかん水制御(研究)
担当機関 野菜・茶業試験場
研究期間 1998~1998
研究担当者 高市益行
島地英夫
東出忠桐
発行年度 1998
要約 トマトの茎径の肥大をレーザセンサーで計測し、茎径の肥大速度を指標として噴霧耕のかん水のフィードバック制御を行うことが可能である。
キーワード 茎径、肥大、噴霧耕、かん水、フィードバック野菜・茶業試験場 施設生産部 資材利用研究室
背景・ねらい 植物の生育を制御する技術は、土壌培地の水分計を用いた制御、日射比例かん水量制御などが
あるが、これらのかん水方法は水分の不足分を補償するためのかん水を行うもので、直接に生長を
制御しているわけではない。ここでは生育制御のひとつとして、茎径の肥大過程の制御を、水分を
鋭敏に調節できる噴霧耕を用いて行う。
成果の内容・特徴
  1. 茎径の計測には、レーザセンサ(分解能2μm)を用い、栽培には植物の水分状態の応答が
    速い噴霧耕を用いる(図1)。
  2. トマト(葉数9枚)の1日の茎径変化は、多かん水(日射1cal/cm2に対して16秒噴霧)では約0.5mm/日の肥大速度があり、少かん水(同日射当たり8秒)では0.1mm/日であり(図2)、両者には、日中の水分ストレスによる茎径の減少と、1日の生長肥大速度に大きな差がある。
  3. 肥大生長目標(図4の直線)を、一例として0.25mm/日に設定し、肥大速度を指標とした制御を行う。図3の制御フローに示すように、茎径と設定目標の偏差(e)に応じて1回かん水量を増減するフィードバック制御を行う。かん水間隔は12分、過剰なかん水としおれを防止するために1回かん水量の上限(30秒)と下限(3秒)を設定し、偏差が最小になるようにかん水時間(秒数)を調節する。図4の制御初日(3/15)にみられるように、曇天日においては肥大が大きく目標を達成できないこともあるが、晴天日が含まれれば目標値を達成できる。
  4. 茎径の肥大速度を目標とした制御は、茎の肥大が順調で硬化するまでであれば、茎の直径と目標値との偏差だけを指標とするために、植物の水分状態を意識することなく、目標通りのかん水制御を行うことができる(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. トマトの場合、茎が順調に肥大していくのは10日前後であり、その後は別の位置にセンサを移動する必要がある。
  2. 噴霧耕以外の栽培方法に適用する場合、培地の水分の緩衝能が大きいために、応答が遅く、かん水方法(予測手法やかん水機器)を別に考慮する必要がある。
図表1 227566-1.gif
図表2 227566-2.gif
図表3 227566-3.gif
図表4 227566-4.gif
カテゴリ トマト

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