DNAマーカーを用いた緑茶品種分化の解明

タイトル DNAマーカーを用いた緑茶品種分化の解明
担当機関 野菜・茶業試験場
研究期間 1999~2000
研究担当者 松元哲
水野直美
竹内敦子
発行年度 1999
要約 〔要約〕フェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)をDNAマーカーに用いた解析により、日本在来種が、中国在来種に較べ遺伝的な多様性に乏しく、均一な集団であるとともに、日本の緑茶品種群が在来種からの選抜と‘やぶきた’との交配を経て育成過程を明らかにできる。
キーワード フェニルアラニンアンモニアリアーゼ、DNAマーカー、遺伝的、多様性、均一、集団、育成過程野菜・茶業試験場 茶栽培部 生理遺伝研究室
背景・ねらい チャは形態的な特徴に乏しいため、遺伝資源の分類・評価及び品種を識別できる適切な指標がなく、特に育種を行う上で必要な知見である品種分化の解明が不十分である。そこでカテキン合成系に関係するフェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)をDNAマーカーに用いて中国在来種、日本在来種の遺伝的多様性を検出し、緑茶の品種分化を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. PALをプローブに用いたRFLP解析により、中国在来種では多くの多型が生じ、遺伝的多様性が大きいのに対し、日本在来種は3種類(A,B,D)が多型を示し、多様性に乏しい(図1)。
  2. 日本在来種のPAL遺伝子頻度は、Aが0.66、Bが0.08、Dが0.22程度で地域間の差はなく、均一な集団である(図2)。
  3. 日本の緑茶品種の分化は、まず在来種から選抜したことにより、育成された品種の多くはAA型であったが、つぎに‘やぶきた’(BD)の交配親への使用に伴い、AA型から他の遺伝子型をもつ品種の育成へと進んだことが明らかである(表1)。
  4. DNAマーカーは、チャの品種分化の経路を科学的に明らかにできるとともに、日中のチャの違いを遺伝的な多様性に基づいて検出できる。
成果の活用面・留意点
  1. チャの育種を進める上で変異の幅を拡大するためには、海外の育種素材の活用が
    効果的である。
  2. A,B,Dの各断片は一遺伝子座の複対立遺伝子として遺伝することから、簡易
    な親子鑑定に使用できる。
  3. A,B,Dの各断片をPCRで検出可能な手法を開発することにより、微量な試料
    から迅速な判断が可能になる。
図表1 227645-1.jpg
図表2 227645-2.gif
図表3 227645-3.gif
カテゴリ 育種 遺伝資源 DNAマーカー 品種

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