カーネーションのエチレン受容体遺伝子(DC-ETR1)の単離と部分配列

タイトル カーネーションのエチレン受容体遺伝子(DC-ETR1)の単離と部分配列
担当機関 野菜・茶業試験場
研究期間 2000~2000
研究担当者 永田雅靖
小野崎隆(花き部育種研)
谷川奈津(花き部育種研)
発行年度 2000
要約 〔要約〕カーネーションから単離され、塩基配列が明らかにされた新規のエチレン受容体遺伝子(DC-ETR1 )は、花弁および茎葉で発現している。
キーワード カーネーション、塩基配列、エチレン受容体遺伝子、DC-ETR1野菜・茶業試験場 生理生態部 輸送貯蔵研究室
背景・ねらい エチレンは、多くの植物の老化や成熟を促進する作用を持つ植物ホルモンである。最近、多くの植物種からエチレン受容体遺伝子が単離されている。エチレン受容体遺伝子は、レスポンスレギュレーターと呼ばれる部分を持つETR タイプと、それを持たないERS タイプに大別される。これまでに、カーネーションにはETRタイプのエチレン受容体遺伝子が存在しないと結論づけた報告が知られている。そこで、その存在の有無を確認する。
成果の内容・特徴
  1. 多くの植物種におけるエチレン受容体遺伝子の共通アミノ酸配列に基づいて設計したディジェネレートプライマー(表1)を用いて、RT-PCRを行い、得られたクローンの塩基配列を解析した結果、カーネーションから、すでに単離されているDC-ERS1 , DC-ERS2他に、ETR タイプに特徴的な配列を持つ新規のクローンが得られた(図1)。
  2. これまでに、カーネーションでETR タイプの報告は無い。この配列は、メロンやリンゴのETR1 と類似している。アミノ酸配列をもとにしたHigginsの計算法による類似性は約90%である。また、この配列とDC-ERS1 との類似性は約60%、DC-ERS2 との類似性は約70%である。
  3. 本遺伝子は、花弁および茎葉で発現している(図2)。
  4. これらの結果から、カーネーションにETR タイプの遺伝子が存在することを確認し、本遺伝子を、カーネーションから単離されたETR タイプのエチレン受容体遺伝子(DC-ETR1 )の部分配列としてDDBJに登録した。アクセションナンバーは、AB035806である。
成果の活用面・留意点
  1. 本遺伝子の配列情報は、カーネーションやその他の花きおよび野菜の日持ち性あるいはエチレン感受性の解析のための基礎的知見となる。
  2. 全長クローンは、現在単離中である。
図表1 227660-1.gif
図表2 227660-2.jpg
図表3 227660-3.gif
カテゴリ カーネーション メロン 輸送 りんご

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