チャ種子サポニン類の耐塩性酵母生育阻害効果

タイトル チャ種子サポニン類の耐塩性酵母生育阻害効果
担当機関 野菜・茶業試験場
研究期間 2000~2000
研究担当者 氏原ともみ
富田 実(徳島県工技センター)
堀江秀樹
木幡勝則
発行年度 2000
要約 〔要約〕チャ種子サポニン類は、耐塩性酵母Zygosaccharomyces rouxii に対し、生育阻害効果を示す。特に、塩化ナトリウム高濃度下での阻害効果は著しく、3M 塩化ナトリウム濃度の時の最小生育阻止濃度は5μg/mlである。
キーワード チャ種子サポニン類、耐塩性酵母Zygosaccharomyces rouxii 、生育阻害効果野菜・茶業試験場 茶利用加工部 品質化学研究室
背景・ねらい 耐塩性酵母Zygosaccharomyces rouxii は、いわゆる白カビとして知られており、味噌・醤油醸造において有用な酵母である一方、含塩発酵食品の代表的な汚染酵母でもあることから、その発生を制御できる物質が必要とされている。一方、チャ種子サポニン類(TSS)は酵母類に対し抗菌活性のあることが知られており、Z.rouxii に対する塩化ナトリウム(NaCl)高濃度下での阻害効果を明らかにし、白カビ発生抑制剤としての実用化の可能性を検討することは、TSSの新需要創出を図る上からも重要である。
成果の内容・特徴
  1. TSSのZ.rouxii (ATCC 52968)に対する最小生育阻止濃度(MIC)は、NaCl非共存下では125μg/mlであるのに対し、NaCl共存下ではNaCl濃度に依存して減少し、3M NaCl共存下でのMICは5μg/mlである(表1)。
  2. 様々なチャ品種より調製したTSSの生育阻害効果はほぼ同等であり、阻害効果の品種間差は認められない(表2)。
  3. 2M NaCl共存下において、TSSは10μg/mlの濃度のときpH3.5以下あるいはpH6以上の領域で阻害効果を示したのに対し、20μg/mlの濃度のときはpH3以上のいずれの領域でも効果を示したことから、阻害効果は調整培地のpHに依存する(図1)。
成果の活用面・留意点
  1. 耐塩性酵母生育阻害効果に基づく醤油等の過発酵防止剤として、また、一般食品と比較してNaCl濃度の高い漬け物等の保存剤としての利用が考えられる。
  2. 味噌のような固形物に対しては、生育阻害効果は減少する。
図表1 227690-1.gif
図表2 227690-2.gif
図表3 227690-3.gif
カテゴリ 加工 品種

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