浅埋設パイプラインの地震時挙動

タイトル 浅埋設パイプラインの地震時挙動
担当機関 農業工学研究所
研究期間 1999~2000
研究担当者 松島健一
堀俊和
民間研究組合
毛利栄征
発行年度 1999
要約 地表面の浅い位置に埋設したパイプラインの振動台実験を実施し、水平1方向だけに加振した場合に比べて、鉛直振動が入力されるとパイプの浮上速度は2倍程度に速くなることが分かった。また、ジオグリッドと砕石を用いた埋戻しが浮上防止に有効であることを確認した。
背景・ねらい 地中に埋設されるパイプラインは地震時に周辺地盤や埋戻し砂の液状化に伴って大きな浮力を受けるために、浮上や蛇行を生じることがある。パイプラインの浮上速度と地震波の特性の関係については明らかにされておらず、浅埋設のパイプラインの安全性を向上するためには地表面付近の鉛直地震動の影響を解明することが不可欠である。
このような背景から本研究では、地表面の浅い位置に埋設したパイプラインの振動台実験から浅埋設パイプラインの浮上メカニズムを確認し、ジオグリッドと砕石を用いた埋戻し方法が浮上対策として有効であることを確認した。
成果の内容・特徴 図1に示す5つのモデルを対象として振動台実験を実施した。入力した加速度は5Hzのサイン波で最大加速度とモデルの関係を表1に示す。図2は実験終了後のパイプと砕石部分の変状の様子を示している。
  1. パイプは周辺地盤の液状化によって浮上する。鉛直振動と水平振動を同時に作用させた場合のパイプの浮上開始点は水平振動のみの時と同じく、有効応力が2割以下に低下したときである。
  2. 地盤の振動停止とともにパイプの浮上が停止するが、地盤の透水性が低い場合は過剰間隙水圧が消散する過程までパイプが浮上し続けることがある。
  3. パイプの浮上速度は水平1方向の振動に比べて、鉛直振動を同時に作用させた方が速い。(図3)
    水平振動300galに対して鉛直振動150galを同時に作用させた場合、合成振動は358galとわずか1.18倍になっているにすぎないが、浮上速度は水平振動のみの場合に比べて2倍近い早さで浮上し、鉛直振動の影響が大きいことが明らかとなった。
  4. パイプの浮上対策としてパイプ上部にジオグリッドと砕石を設置した浅埋設方法(図4 MODEL_3、5)は地盤が完全に液状化した状態でもパイプの浮上を防止することができ、浮上防止に有効である。砕石部分は周辺の地盤が完全に液状化した場合でも分離することなく、固まりとなってパイプの変形を抑制している(図2 MODEL_3)。さらに、パイプの側部に砕石を地表面まで設置したモデル(MODEL_5)ではパイプ周辺の地盤の液状化抵抗力を向上させるため、パイプの浮上量を46mmに抑制することができ大きな効果があることがわかった。
成果の活用面・留意点 本研究成果は行政部局におけるパイプラインの設計施工に適用され、パイプライン施工の工費縮減に直接反映されることが期待される。
図表1 227824-1.gif
図表2 227824-2.gif
図表3 227824-3.gif
図表4 227824-4.gif
図表5 227824-5.gif
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