| タイトル |
膨潤性及び非膨潤性粘土の乾燥土塊の水浸崩壊機構 |
| 担当機関 |
農業工学研究所 |
| 研究期間 |
2000~2000 |
| 研究担当者 |
原口暢朗
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| 発行年度 |
2000 |
| 要約 |
膨潤性粘土であるベントナイトの乾燥土塊の水浸崩壊の主要因は膨潤であり、希薄溶液中と濃厚溶液中とで異なった崩壊挙動を示すこと、非膨潤性粘土であるカオリナイトの乾燥土塊の水浸崩壊の要因は空気の圧力であることを明らかにした。
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| 背景・ねらい |
乾燥した土壌が水に浸されたときの崩壊挙動は、直播水稲の出芽・苗立の良否などに影響する。このため、土壌の物理化学的性質と水浸崩壊挙動との関係が求められている。本研究では、ベントナイトとカオリナイトから作成した土塊を用いて、土の物理化学的性質、二つの崩壊要因(土塊の水浸に伴う封入空気の圧力、物理化学的作用(水和、膨潤))及び水浸崩壊挙動の間の関係を解明することをねらいとした。
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| 成果の内容・特徴 |
- Naで吸着飽和したベントナイト粉体とカオリナイト粉体から作成した土塊(直径約6mm・高さ約4.5mm)をガラスアンプルに封入し、加熱・真空処理したものを「真空試料」、加熱・真空処理後に約1atmになるまで窒素を封入したものを「大気圧試料」とした。これらの試料をガラスアンプルごと0~4.5規定のNaCl溶液に水浸し、水中でアンプルを破壊して土塊の崩壊挙動を観察した。
- Naベントナイトは、0.001規定以下の希薄なNaCl溶液中で長時間かけて分散し、0.5規定以上の濃厚なNaCl溶液中で、短時間で粉々に崩壊した(図1)。「真空試料」と「大気圧試料」とでこれらの傾向に本質的な差はない(表1)。また、Naカオリナイトの「真空試料」は、純水中で崩壊しなかったが、「大気圧試料」は、純水中で短時間で薄片状に崩壊した(図2)。これらの現象は、溶液濃度に無関係である(表2)
- 以上より、膨潤性粘土を主体とする土壌では、水の塩濃度など膨潤に関係する情報のみから、水浸崩壊挙動や崩壊時間を予測することができる。例えば、この土壌が真水に近い水に浸された場合、土壌は分散に近い崩壊をする。また、非膨潤性粘土を主体とする土壌では、土壌の水分状態の情報のみから、水浸崩壊挙動を予測することができる。例えば、この土壌が水分の多い状態で浸された場合、土壌中の空気が少ないため、ほとんど崩壊しない。
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| 成果の活用面・留意点 |
今後、粘土以外に粗い粒子や有機物などを含む野外土壌に近い組成の土塊の水浸崩壊現象の理解を深める必要がある。
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| 図表1 |
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| 図表2 |
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| 図表3 |
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| 図表4 |
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| カテゴリ |
乾燥
水稲
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