CFDによる多連棟温室の風力換気時の気流解析

タイトル CFDによる多連棟温室の風力換気時の気流解析
担当機関 農業工学研究所
研究期間 2000~2000
研究担当者 In-Bok Lee
奥島里美
佐瀬勘紀
石井雅久
発行年度 2000
要約 CFD(数値計算流体力学)による多連棟温室の風力換気時の気流分布は、風洞実験の結果をよく再現できる。CFDによれば、屋根開放型温室では温室内に逆流が発生する。フェンロー型温室では、開放された天窓の位置により気流分布が異なる。
背景・ねらい 温室の普及や周年利用への要求に伴い、自然換気が世界的に注目されており、換気窓の改良や屋根開放型温室の導入などの自然換気向上のための改善がされつつある。一方では、温室の大規模化への要望が強い。多連棟温室では十分な換気量と環境の空間的均一性の達成が不可欠であるが、換気特性、特に、気流分布についてはほとんど明らかにされていない。近年、このような解析のためにCFD(Computational Fluid Dynamics、数値計算流体力学)による手法が期待されている。そこで、最近の多連棟温室にCFDを適用し、風力換気時の3次元気流分布へのCFDの有効性を検証すると共に、3次元気流分布特性を解明する。
成果の内容・特徴
  1. 本情報は、CFDによる計算結果を、模型を用いた風洞実験におけるPIV気流計測結果と比較検証したものである。模型は、縮尺1/16のフェンロー型温室(屋根勾配22゚、天窓開度44゚)と屋根開放型温室(屋根勾配30゚、屋根開度83゚、屋根は樋部を軸として棟部から開放)で、連棟数は2?6であり、大型温室を想定して側壁に開口はない。いずれも実寸で、1棟の間口3.2m、軒高4m、奥行き30mである。
  2. CFDによれば、6連棟の屋根開放型温室の場合、外気は最も風下側のスパンから主に流入し、内気は風上側のスパンから流出する。結果として温室内には逆流が発生する(図1)。連棟数が少ない場合も類似の気流パターンである。CFDによる気流パターンや気流速分布の計算値は、風洞実験による計測値とほぼ一致する(図2)。
  3. 屋根開放型温室では、棟方向の垂直断面間の気流分布の違いは大きくないが、フェンロー型温室では天窓が棟に交互に配置されるため、違いが見られる。すなわち、風上棟の風上側が開放された天窓下では外気の流入が促進されて気流速が高まり、風下側が開放された天窓下では気流速が弱まる(図3)。
成果の活用面・留意点 屋根開放型温室では、棟方向の垂直断面間の気流分布の違いは大きくないが、フェンロー型温室では天窓が棟に交互に配置されるため、違いが見られる。すなわち、風上棟の風上側が開放された天窓下では外気の流入が促進されて気流速が高まり、風下側が開放された天窓下では気流速が弱まる(図3)。
図表1 227849-1.gif
図表2 227849-2.gif
図表3 227849-3.gif
カテゴリ 大規模化

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