低圧パイプラインシステムによるかんがい技術

タイトル 低圧パイプラインシステムによるかんがい技術
担当機関 (独)農業工学研究所
研究期間 1999~2001
研究担当者 井村英樹
若杉晃介
小野寺健一(岩手県農研セ)
瀬戸口洋一(鹿児島県)
谷本 岳
藤森新作
北川 巌(北海道立中央農試)
発行年度 2001
要約 低圧パイプラインシステムは水管理の省力化と適正化を実現できる。また、暗渠管と接続し、これに弾丸暗渠を組み合わせることによって地下かんがいも可能である。
背景・ねらい
稲、麦、大豆を主体とした高生産性水田農業の実現を図るためには、田畑輪換に対応できるほ場条件とする必要があり、とくに、用排水管理の省力化と適正化が求められている。そこで、用・排水管理を同一のボックス内で行え、さらに、地下かんがいも可能とする低圧パイプラインシステムの現地実証試験を行いその効果を検証した。
成果の内容・特徴
  1.  用水と排水が管路であり、同一のボックスにおいて給水栓と越流によって水位調整が可能な排水口を持つ。このため、給水量の調節と水田水位の設定が一元的に行え、無駄な取水と排水を抑えことができる(図1)。
  2. 本システムが導入され、さらに畦畔漏水防止対策を行ったJ地区(再整備地区、面積26ha、区画:長辺200m、短辺100m)における水稲栽培時の雨量+取水量は1,200mm前後となった(表1)。また、農家18戸による再整備後の評価は概ね良好であった(図2)。
  3. 水甲を閉じ、暗渠管に用水を流入させることで地下かんがいが可能であり、給水栓と排水口高さの調整で田面下の地下水位をコントロールすることができる。試験ほ場では、弾丸暗渠間隔2m区間において、地下水位は40cm~60cm程度に保つことができた(図3)。
  4. 本システムを採用している47地区の施工費をみると、パイプラインの最小管口径がφ125mmと大きいため、揚水機場設置の場合と同程度であるが、地区内圧送がなく営農段階で電気代を必要としないため、維持管理費の削減が図れる。

成果の活用面・留意点 大区画水田地区の水管理技術であり、水田間の標高差の小さい地区で適用する。
図表1 227884-5.gif
図表2 227884-6.gif
図表3 227884-7.gif
図表4 227884-8.gif
カテゴリ 省力化 水田 水稲 大豆 水管理

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