46.空中電磁法の改良と地すべり地における3次元比抵抗分布探査

タイトル 46.空中電磁法の改良と地すべり地における3次元比抵抗分布探査
研究期間 2001~2003
研究担当者 奥山武彦
黒田清一郎
佐々木裕(九州大学)
中里裕臣
発行年度 2003
要約  レベリング手法を改良した空中電磁法により3次元的な比抵抗分布を把握し、地すべりブロック分布と比較することで、地すべりブロック構成物の判定や崩積土層厚の推定ができ、より高精度な危険度評価が可能となる。
背景・ねらい  地すべり等の斜面災害の被害軽減のためには豪雨等を誘因とする崩壊機構の解明と併せて、素因分布の把握精度を向上する必要がある。本研究では斜面の地盤物性の指標として含水状態や間隙率によって変化する比抵抗に着目し、従来の地形・地質学的な素因分布調査に加えて、空中電磁法により得られる比抵抗の3次元分布に基づく地すべり危険度評価法の有効性を示す。
成果の内容・特徴
  1.  空中電磁法は、ヘリコプターや航空機を利用して空中から連続的にある周波数で電磁波送受信部から発信される電磁波によって地盤に誘導される2次的な磁場を測定し、地盤の比抵抗を求める手法である(図1)。電磁波は低周波数ほど地下深部に透入するため、複数の周波数を使用することにより、幅広い深度の探査が可能で、広範囲の3次元的な比抵抗分布を短時間で把握することができる。
  2.  空中電磁法では受信信号強度が微弱なため、受信機の0レベル調整(レベリング)には技術者の経験によるところが大きく、探査解析精度の安定性に課題が残されていた。本研究では改良されたレベリング手法を採用し、その効果を均質な比抵抗を持つ海上における探査で確認した(図2)。
  3.  改良された空中電磁法により、四国の破砕帯地すべり地を試験地として比抵抗分布を探査した結果とボーリング等の既取得データとを比較すると、崩積土を主体とする地すべりブロックの分布は低比抵抗部の分布と一致し、地すべりブロック内で高比抵抗を示す部分は岩盤地すべりに相当した(図3)。このことは地すべりブロック区分に比抵抗情報が加わることで、地すべりブロックの構成物並びに運動性が評価できることを示す。
  4.  空中電磁法では3次元的な探査データから任意の断面図が作成できる。解析深度100mまでの断面図からは地表電気探査と調和的な比抵抗分布が得られ、100m程度の可探深度が確認でき、崩積土層厚を把握できる(図4)。これらの情報は地すべり危険度評価の精度を向上させる。

成果の活用面・留意点
 本手法は地すべり危険斜面の抽出に有効であり、空中電磁法のスケールメリットを考慮すると、豪雨を指標とする広域的なリアルタイムハザードマップの基図等の作成に活用できる。なお、表層の高比抵抗層は原理的に検知されない場合があり、また比抵抗値は多くの要因で変化するため、空中電磁法探査結果の詳細な解釈では、地上電気探査や地質調査・ボーリングデータなどの情報との比較が必要である。




図表1 227994-1.jpg
図表2 227994-2.jpg
図表3 227994-3.gif
図表4 227994-4.jpg
図表5 227994-5.jpg
図表6 227994-6.gif
カテゴリ 評価法

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