48.太陽光発電で運転する低コストふん尿スラリー撹拌曝気装置

タイトル 48.太陽光発電で運転する低コストふん尿スラリー撹拌曝気装置
研究期間 2000~2003
研究担当者 奥山武彦
小綿寿志
大井節男
発行年度 2003
要約  家畜ふん尿の地下貯留槽に挿入した撹拌筒で送気・撹拌を行う撹拌曝気装置は消費電力が少なく、太陽光発電による独立運転を行うことができる。製作費、維持費も従来型より安価である。撹拌曝気処理によってスラリーの粘度・臭気が低減し、圃場還元が容易になる。
背景・ねらい  ふん尿スラリーを圃場還元している畜産農家では、スラリーの臭気ならびに作業性の改善手段の要望が強い。スラリー処理は貯留槽での滞留時間が数日あるので、運転の不安定性を伴う太陽光発電の利用に適する。装置の省電力化と簡素化で設備費の縮減を図る。
成果の内容・特徴
  1.  図1に示すように貯留槽に挿入した全長2mの撹拌筒内でらせん状の羽根を60rpm以下の低速で回転させながら送気する方式により、少ない消費電力でスラリーに送入空気を混入させるミクロ撹拌と、貯留層内のマクロ撹拌を行うことができる。
  2.  本装置は1.1kW程度の太陽光発電だけを電源とするので、運転状況は日射量に依存する。貯留槽はスラリーが数日かけて通過する容量をもち、運転の不安定さを補う緩衝機能を発揮する。茨城県内で行った試験では、図2に示すように、晴天日に7.5時間の稼働で装置を設置した貯留槽の容量の13倍にあたる量の撹拌を行うことができた。
  3.  畜舎が南北棟である場合には、畜舎南側に図3のような簡易屋根を設けて太陽電池を設置することによって、東(西)向き屋根にのせるよりも多くの電力が得られるとともに、屋根の下を雨よけ作業場所として使うことができる。
  4.  可傾式架台によって、地下貯留槽に50cm四方の開口部があれば設置することができ、保守のために容易に引き出すことができる。撹拌筒やフレームをステンレスで製作し、ナイロン製の撹拌羽根を用いることによって強腐食性のスラリーに浸漬しても十分な耐久性をもつ。
  5.  両軸型直流モーター1台で撹拌機とブロワーを駆動する方式を採用し、太陽光発電の直流を交流に変換するインバーターを使用しないシステムにするとともに、汎用部品で構成することで低コスト化を図った。製作設置費は140万円程度と見込まれる。
  6.  撹拌曝気によってスラリーの粘度が低下するとともに(図4)、農家から圃場散布時の臭気が低減したとの評価を受けた。バキュームタンカーによる吸い出し作業時間が半減する省力効果は、30頭規模の経営で約9,000円/月と見積もられる。作業性、臭気の改善により、スラリーの圃場還元が容易になる。

成果の活用面・留意点
 本装置は比較的小規模経営でふん尿混合スラリーを圃場還元している酪農家での使用に適している。日射量の地域差については太陽光発電のための基礎データなどを参照する。



図表1 227996-1.jpg
図表2 227996-2.gif
図表3 227996-3.jpg
図表4 227996-4.gif
カテゴリ 経営管理 低コスト 乳牛

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