農村観光周遊行動を規定する要因の抽出

タイトル 農村観光周遊行動を規定する要因の抽出
担当機関 (独)農業工学研究所
研究期間 2002~2004
研究担当者 蘭 嘉宜
合崎英男
國光洋二
遠藤和子
発行年度 2004
要約 観光客に対するアンケート調査を分析したところ、農村観光周遊行動を規定する要因として、観光客の年齢層、グループの同行者、観光スポットでの活動、観光スポットの情報媒体があげられる。
キーワード
農村観光周遊行動、年齢層、同行者、活動、情報媒体
背景・ねらい 農村空間を都市住民の観光の場として整備するためには、観光行動が複数の観光スポットに立ち寄る周遊性を有していることから、周遊性を考慮した整備が重要である。茨城県北部の中山間地域、奥久慈地域を事例として(図1)、観光客を対象に立ち寄り個所等のアンケート調査を実施し、観光周遊行動を規定する要因を抽出した。
成果の内容・特徴 アンケート調査で得られた661グループの周遊行動データを分析して、次の4つの規定要因を抽出した。
  1. 観光スポットの立寄客の年齢層を比較すると(図2)、プールを中心とした運動施設であるフォレスパ大子・広域公園は、他の観光スポットと比較して10代以下の子供の割合が多く、50代以上の割合が少ない。一方、自然・景観の観賞スポットである月待の滝・八溝山・竜神大吊橋と、茶に関する展示・販売施設である茶の里公園は、50代以上の割合が多く、10代以下の割合が少ない。観光客の年齢層によって立ち寄る観光スポットが異なる。
  2. フォレスパ大子・広域公園に立ち寄った10代以下を含むグループを、50代以上を含むグループと50代以上を含まないグループに分けて、他に立ち寄った観光スポットを比較すると(図3)、50代以上を含むグループでは、月待の滝、八溝山、竜神大吊橋、茶の里公園に立ち寄ったグループが相対的に多い。同行者に配慮して観光スポットが選定されている。
  3. 主たる目的である観光スポット(主目的地という)と、周遊段階で付帯して立ち寄った観光スポット(従目的地という)で、活動の種類を比較すると(図4)、主目的地での活動は見る、休養する、体験する、運動するが相対的に多く、従目的地の活動は買う、食べるが多い。
  4. 観光スポットを知った情報媒体の種類を、主目的地と従目的地で比較すると(図5)、主目的地では伝聞とテレビ・ラジオが相対的に多く、従目的地では看板が多い。出発前の事前情報により決められる割合は主目的地で多く、観光の途中で得られた情報により決められる割合は従目的地の方が多い。
成果の活用面・留意点 農村観光振興計画を立案する際の参考になる。周遊行動の規定要因には地域性があると考えられ、分析事例を増やすことが望ましい。
図表1 228039-1.gif
図表2 228039-2.gif
図表3 228039-3.gif
図表4 228039-4.gif
図表5 228039-5.gif
カテゴリ 中山間地域

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