周遊性を考慮した農村レクリエーション振興施策の評価

タイトル 周遊性を考慮した農村レクリエーション振興施策の評価
担当機関 (独)農業工学研究所
研究期間 2002~2004
研究担当者 蘭 嘉宜
合崎英男
國光洋二
遠藤和子
発行年度 2005
要約 農村レクリエーション振興施策の効果は、周遊性を考慮したレクリエーション目的地の選択行動モデルによれば、農産物販売所や農村レストラン等の周遊目的地についても評価できる。
キーワード
農村レクリエーション振興施策、周遊性、選択行動モデル、周遊目的地
背景・ねらい レクリエーション行動には、主たる目的地(以下、主目的地という)と付帯的な目的地(以下、周遊目的地という)を巡る周遊性がある。このため、農村レクリエーション振興施策が地域全体に及ぼす効果を適切に評価するには、周遊性を考慮した評価手法が必要である。茨城県北部の中山間地域、大子町を事例として、レクリエーション周遊行動モデルを作成し、農村レクリエーション振興施策の効果を定量的に評価した(図1、表1)。
成果の内容・特徴
  1. 農村振興の観点から、モデルでは、地元産の農産物販売所や農村レストラン等の効果が把握できるように配慮した。これらの場所は、一般的に主目的地とはなりにくく、周遊目的地になりやすい。そこで、主目的地と周遊目的地を区別した目的選択行動モデルを、式(1)・(2)に示す多項ロジットモデルを使って作成した。
    Pin :グループ n の目的地 i の選択確率、Vin :グループ n の目的地 i での効用の確定項、Xink Vin に関する k 番目の説明変数、θkVinに関する k 番目の説明変数の未知の計数
  2. 大子町におけるモデルの分析結果から、次のことが分かった。
    • 主目的地は、レクリエーションゾーン(以下、ゾーンという)の評価が高く、テレビ・新聞等の広範な情報媒体が活用されているほど選ばれやすい(表2)。
    • 周遊目的地は、主目的地に近く、買い物・食事を主とするゾーンが選ばれやすい(表3)。
  3. レクリエーション振興施策として、ゾーンが整備され評価が上がったケースと、道路が整備されゾーン間の距離が短縮されたケースについて、効果のシミュレーションを行った。その結果、次のことが分かった(表4)。
    • ゾーンが整備され評価が上がった場合、主目的地になり易いゾーン(ゾーン4)では入込客数が増えるが、周遊目的地になり易いゾーン(ゾーン3)では入込客数の増は小さい。
    • 道路整備によりゾーン間の距離が短縮された場合、周遊目的地になり易いゾーン(ゾーン3・5)で入込客数の増が大きい。
成果の活用面・留意点 レクリエーションの中心地とそれに付帯する場所からなるレクリエーション空間の評価に有効である。
図表1 228046-1.gif
図表2 228046-2.gif
図表3 228046-3.gif
図表4 228046-4.gif
図表5 228046-5.gif
図表6 228046-6.gif
カテゴリ くり 中山間地域

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