タイトル |
スギ再資源炭による農地排水中の有機物除去効果 |
担当機関 |
(独)農業工学研究所 |
研究期間 |
2003~2005 |
研究担当者 |
白谷栄作
吉永育生
人見忠良
濱田康治
高木強治
三浦 麻(JST)
向井雅恵(JST)
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発行年度 |
2005 |
要約 |
高温で炭化したスギ再資源炭は稲ワラから溶出する有機物を除去できる。再資源炭による有機物除去効果は、稲ワラ水を用いたカラム実験では土壌に対する再資源炭の容積比が最低20%程度あれば130日以上維持でき、圃場用水を用いたポット稲栽培実験では約120日間持続する。
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キーワード |
スギ再資源炭、有機物、有機物除去効果、130日以上維持、約120日間持続
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背景・ねらい |
非点源負荷源である農地から排水される有機物は、下流閉鎖性水域の水質に影響を与えることがある。本研究では、低コスト浄化材としてスギ間伐材を炭化処理した再資源炭を用いて、有機物およびその色素を除去することを目的とし、浄化実験、カラム実験およびポット稲栽培実験の3つの実験結果からその効果を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 浄化実験では有機物除去を全有機炭素(Total Organic Carbon; TOC)濃度の変化によって評価した。実験は水道水に稲ワラを浸漬させた稲ワラ水800mlに対して再資源炭12gを入れ、バッチ試験を48時間行った。図1に示すように450℃および650℃で生成された再資源炭ではほとんど有機物は除去されず、稲ワラ水のみのTOC濃度の変化とほぼ同様となった。TOC濃度の除去速度が速く除去量が多かったのは1,050℃の再資源炭であった。
- 褐色を呈する稲ワラ水に再資源炭を浸潤し、溶液の色の変化を目視によって測定した。450℃および650℃の再資源炭では、溶液の色はほとんど変化しなかったが、1,050℃の再資源炭では無色透明になった(写真1)。
- 1,050℃の再資源炭を混合した土壌によるカラム実験(図2)では、稲ワラ水の土壌中の滞留期間は約1週間とした。その結果、土壌に対する再資源炭容積比が15%以上の場合には、処理後の浸透水はTOC平均濃度2.5mgL-1以下で、有機物除去率が平均85%以上の効果がみられた(図3)。また、再資源炭による低コストの有機物除去を目的とするならば、容積比が最低20%程度であれば、130日以上にわたってTOC平均濃度2mgL-1以下で除去率90%以上の効果を安定して維持できる。
- 1,050℃の再資源炭を入れたポットによる稲栽培(図4)では、圃場用水の土壌への滞留期間は約1週間とした。その結果、稲移植から刈取りまでの約120日間(実験期間は約200日)で、処理後の土壌浸透水のTOCを1~2mgL-1と低濃度に維持できる(図5)。
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成果の活用面・留意点 |
水田の地表排水および畑地の暗渠排水中の有機物を除去するため、現地適用を想定した実験を実施する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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図表6 |
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カテゴリ |
水田
低コスト
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