新規参入における農業経営の創業と支援の方向

タイトル 新規参入における農業経営の創業と支援の方向
担当機関 農業総合研究所
研究期間 2000~2001
研究担当者
発行年度 2000
要約 農業への新規参入では,それを新規参入者の経営創業として捉えた上で,受け入れ側の支援方策を講じることが重要である。その創業支援体制のうち,公的支援活用型では農地保全と担い手育成の両立に問題を抱え,民間支援活用型では研修施設設置などハード面での支援が課題となっている。
背景・ねらい 農業への新規参入は,担い手問題が深刻化している中山間地域をはじめとして,多様な就農ルートの一つとして注目されている。本成果では,農業への新規参入を農業経営の創業の観点から捉え,それに対する受け入れ側の支援の必要性ならびに支援体制を検討し,新規参入における経営創業の特徴と支援の方向を提示する。
成果の内容・特徴
  1.  農家子弟は長期間に渡る親子間の相続と家族内の分業・協業関係によって有形・無形の経営資源を継承していくが,新規参入者における経営創業は,新規参入者と受け入れ側との関係を新たに構築し,就農に必要な経営・生活基盤を短期間に新規調達しなければならない。新規参入者の経営創業を円滑にするためには,新規参入者の「創業」に対して,経営資源のセット化や研修制度の充実等を図る受け入れ側の「支援」が重要な役割を果たす(表1)。
  2. 創業支援体制には,新規参入者と受け入れ側の組み合わせによって三つの主要な形態を見出しうる(表2)。
     1) 公的機関の支援を受けて就農する「公的支援活用型」は,都府県・中山間地域の施設園芸と北海道の酪農のケースが代表事例である。これらの地域では地域レベルでの農地の保全・管理という目的が設定され,都道府県と市町村が連携・協力しながら新規参入者の経営資源の取得や住宅確保の円滑化を図っている。しかし,中山間地域においては,経営資源のセット化が図りやすい施設園芸が多く,担い手の確保・育成と創業支援の目的である農地の保全・管理が両立しにくい。これに対し,就農後に土地利用型へ作目変更を図ることや集落営農の担い手として育成する仕組みを,受け入れ側は長期的視点に立って構築していく必要がある。
     2) 「民間支援活用型」は,新規参入者が民間の農業法人等に一定期間従事し,その経営ノウハウの習得をもって独立就農するケースである。Y農園は,将来の共同経営者の確保(経営戦略の一環)を目的として,就農前の技術研修から就農後の経営上のアドバイスや販路確保(Y農園の出荷先を活用)といった,ソフト面での支援の役割を果たしている。しかし,創業支援にかかる費用やリスクを受け入れ先が全て負担するには大きく,研修施設の設置などハード面での支援体制に問題を残している。今後の対策として,創業支援における民(ソフト面)と公(ハード面)の役割分担と協力体制の構築が挙げられる。
     3) 「独自型」は,創業支援をほとんど受けずに独力で就農するものであり,自然農法や有機農業など,就農地の基幹作目と異なる作目で参入する場合に多くみられる。しかし,この形態による新規参入者は,販路確保等に問題を抱え,農業で自立することが困難であるため,支援を受けられないのが現状である。しかし,就農希望者の多様化が進行するなかで,生産・立地条件が劣る農地でも自給的農業等に支障がない場合は,農地のゾーニングをした上で,農地の管理主体として新規参入者を位置づけて支援することが必要である。
成果の活用面・留意点 その他の新規参入の形態として,市町村農業公社および農協による創業支援が挙げられる。前者は公的支援活用型に属し,後者は公的支援活用型と民間支援活用型の中間に位置する。
図表1 228477-1.gif
図表2 228477-2.gif
カテゴリ 有機農業 有機栽培 経営管理 施設園芸 出荷調整 中山間地域 乳牛

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