EUおよびドイツにおける農業環境政策の展開

タイトル EUおよびドイツにおける農業環境政策の展開
担当機関 農業総合研究所
研究期間 2000~2001
研究担当者
発行年度 2000
要約 EUでは,「アジェンダ2000」の合意により,「適切な農業活動」が義務づけられ,農業環境政策がより焦点をしぼったものに変化しつつあるが,ドイツでは州レベルでのプログラムの刷新が行われ,環境負荷をより少なくするメニューが加わっている。
背景・ねらい EUでは,80年代の農産物過剰を背景に,農業政策の枠内で「環境への配慮」を行う施策(その総称を農業環境政策という),「環境への配慮」を行う農業者に対する直接支払い(環境支払い)が実施されている。本研究では,EU,ドイツを対象に,中央政府だけでなく,州政府,地方自治体のレベルまで入り込んだ調査を行うことにより,農業環境政策の実施状況とその背景について具体的に明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. EUの農政改革と農業環境政策
     1992年の農政改革では,価格支持削減とともに,この農業環境政策をEU全域で行う試みがなされた。その結果,全農用地面積の2割で,90万の経営が環境支払いを受けた。支払額で見て参加率が高かったのは,農薬・肥料の低投入,家畜頭数削減などの「環境改善をもたらす農業活動」,「集約性の低いシステムの維持」である(表1)。また,2000年以降は,「アジェンダ2000」の合意に基づき,あらゆる直接支払いに対して最低限の環境への配慮(「適切な農業活動」)が義務づけられるとともに,各国で実施される農業環境政策,環境支払いが,より焦点をしぼったものに変化せざるをえなくなっている。
  2. ドイツにおける農業環境政策の展開
     ドイツでは,EUの「アジェンダ2000」に対応して,農業環境政策についてのガイドラインが刷新され,化学肥料や農薬の使用を全面的に中止するなど,「適切な農業活動」を上回る場合にのみ,環境支払いを行うことに改められた。EUは,2000年9月に各州政府に対して,この新方式に基づく2000年以降の州農業環境政策の刷新案について承認を与えた。
     南部のバーデン・ヴユルテンベルク州では,90年代初めより農業者の選択するメニューに応じて環境支払いが支払われるMEKA(Marktentlastung und Kulturlandschaftsausgleich,市場負担緩和と農耕景観のための所得補償)プログラムが実施され,96年には農業者の6割もがこれに参加した(図)。2000年から実施されるMEKAⅡでは,定期的な土壌検査,益虫利用や個体数管理による果樹害虫駆除,農薬散布の機具指定,除草剤の全面的な不使用など,環境負荷をより少なくするようなメニューが加わっている点が注目される(表2)。
成果の活用面・留意点 日本の「中山間直接支払い」実施の参考に資するためにも,EU,各国,各州政府の動きについて,データ収集,分析をより精緻に行っていく必要がある。
図表1 228480-1.gif
図表2 228480-2.gif
図表3 228480-3.gif
カテゴリ 肥料 病害虫 害虫 経営管理 除草剤 中山間地域 農薬

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