| タイトル |
食品流通コストのマクロ分析 |
| 担当機関 |
評価・食料政策部 |
| 研究期間 |
2003~2005 |
| 研究担当者 |
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| 発行年度 |
2005 |
| 背景・ねらい |
わが国の飲食費支出に占める流通部門の割合が増加している。これは食品流通コストの上昇によるものと考えられるが,一方で流通サービスの増加を伴った可能性がある。本研究では,産業連関表を用いたマクロ分析により,食品流通コストの動向を明らかにする。
- 流通コストの尺度として,まず,食用農水産物および食料品の商業マージン率(家計の購入額に占める商業マージン額の割合)を産業連関表により明らかにする。
- 単位物量当たりのマージン額の指数として新たに定義した「マージン指数」を,接続産業連関表を用いて算出し,商業マージン率の変動要因およびマージン指数の変動要因を分析する。
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| 成果の内容・特徴 |
- 飲食費支出の部門別付加価値誘発額
第1図は,わが国の飲食費支出の付加価値誘発額を求めることにより,最終的にどの産業部門の付加価値になっているかを示したものである。明らかに流通部門の割合 が増加しており,食品流通コストの上昇を示唆している。 - わが国とアメリカの食用農水産物・食料品の商業マージン率
流通部門が流通サービスを生み出していることを考慮すれば,本来,流通コストは,米などのモノの生産コストが生産物の物量単位当たりで把握されるのと同様,流通サービスの単位当たりで把握されるべきものである。しかし,生み出された流通サービスを量的に計測することは困難であるため,まずは,商業マージン率を流通コストと考える。 第2図及び第3図は,家計が購入する食用農水産物と食料品の商業マージン率の推移を,卸売マージン率,小売マージン率毎に,日本とアメリカについて示している。ここで,食用農水産物は,生鮮魚介類,野菜,果実,卵である(冷凍魚介類,米,食肉はそれぞれ水産食料品,精穀,と畜部門の産品として食料品に含まれる)。 食用農水産物の商業マージン率をアメリカと比較すると,日本はアメリカよりもわずかに高い。これは生鮮魚介類が高いことによるもので,耕種作物(野菜,果実)についてはアメリカと同水準で推移してきている。食料品については,90年まではアメリカより大幅に低かったが,95年にかけて急激に上昇し,2000年ではほぼアメリカと同じ水準となっている。 卸売,小売別にみるとアメリカと比べ日本では卸売マージン率が高いのに対し,小売マージン率が低い。食料品における1995年までの商業マージン率上昇は,卸売マージン率の上昇に多くを負っている。このことは,わが国では流通の川上,川中部分でのコストが高いことを示唆する。
- 食料品の商業マージン率の上昇要因
第1表は90年から2000年にかけての食料品の商業マージン率の上昇を,食料品を構成する品目別に分解したものである。食料品の商業マージン率の上昇については,「その他の食料品」,「その他の飲料」,「めん・パン・菓子類」における商業マージン率の上昇と購入シェアの増加が大きく寄与している。近年の中食商品や調理済み食品のような利便性の高い商品に対する需要の拡大が食料品の商業マージン率の上昇に影響を及ぼしており,一定の流通サービス水準の上昇を伴ったことを示唆する。
- マージン指数の定義とこれを用いた要因分析
商業マージン率は,消費者の購入額に占める商業マージンの割合であるため,その変化には,生産者価格や消費者価格の変化が影響してくる。例えば,商業マージン額が変わらなくても,生産者価格が低下すれば商業マージン率は上昇する。そこで,商業マージンの変化を,生産者価格や消費者価格の変化の影響を受けずに分析するための「マージン指数」を新たに定義した。これは,商品1物量単位当たりのマージン額の変化の指数であり,マージン額指数(金額指数)を,流通経路を通過する商品の数量指数で割ったものである。同様に消費者の購入額の指数を同じ数量指数で割ったものを消費者価格指数とした。指数の算出に当たっては,各年の接続産業連関表を用いた。この指数を用いると,消費者価格や商業マージン率の変化に対する生産者価格などの影響度をみることができる。 消費者価格の変化を,生産者価格の変化,マージン指数(卸売,小売)の変化,運賃指数の変化に分解して影響度合いを示したものが第4図である。消費者価格の変化には,85年から90年にかけての食用農水産物を除き,卸売・小売マージン指数の変化が大きく影響している。ただし,食用農水産物については,生産者価格が上昇するときは小売マージン指数が低下するなど,生産者価格の変化と小売マージン指数の変化は逆方向に動いていることがわかる。食料品については,95年までは卸売・小売マージン指数は増加,その後減少に転じている。95年から2000年にかけては,景気後退の中で小売マージン指数が圧縮された面もあるとみられる。 算出されたマージン指数を用いて商業マージン率の変化の要因分解をしたものが第5図である。食用農水産物,食料品とも商業マージン率の変化に及ぼす生産者価格変化の影響は小さく,ほとんどがマージン指数の変化によるものであった。
- マージン指数変化の要因
マージン指数の変化を,産業連関表から得られる卸売,小売部門のコスト構成を用いて要因分解したものが第6図である。ただし,産業連関表では,食用農水産物,食料品等部門別の卸売,小売のコスト構成が得られないため,これらのコスト構成は全産業(サービス業を除く)についてのものである。卸売,小売とも雇用者所得(人件費)の変化による部分が大きい。中間投入については90年から95年にかけての卸売において影響を及ぼしているが,その主なものは支払利子の増加であった。
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| 図表1 |
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| 図表2 |
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| 図表3 |
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| 図表4 |
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| 図表5 |
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| 図表6 |
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| 図表7 |
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| カテゴリ |
コスト
肉牛
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