タイトル |
オーニソガラム・シルソイデスの促成栽培のための球根貯蔵技術 |
担当機関 |
愛媛県農業試験場 |
研究期間 |
1998~1999 |
研究担当者 |
藤堂 太
白石 豊
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発行年度 |
1999 |
要約 |
オーニソガラム・シルソイデスは、球根を7月から20℃8週間+15℃6週間乾燥貯蔵し、10月に定植することで、通常よりも1カ月以上の開花促進が可能となり、3番花まで収穫できる。
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背景・ねらい |
オーニソガラム・シルソイデスは、秋植えの半耐寒性球根切り花で、普通栽培では通常4月中下旬から開花する。しかし、導入されて間もない品目だけに、開花調節技術が未確立で、生産現場では出荷の集中による価格低迷が、生産拡大の大きな妨げとなっている。 そこで、出荷期の拡大を図るために、促成栽培のための貯蔵球根の温度処理技術について検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 球根を7月中旬から乾燥貯蔵する場合、確実に開花させるためには、20℃以上の高温に8週間以上遭遇させる必要があり、10℃単独では球根は発芽するが、そのほとんどは開花しない。開花は、20℃8週間処理が最も早くなる。(表1)
- 高温処理により花芽分化能力を獲得した球根は、その後15℃で6週間貯蔵することで開花が最も促進され、3番花まで高い割合で開花するので増収となる(表2)。
- 高温で長期間貯蔵すると、花穂の帯化現象が起こり、切り花の可販率が低下する。また、20℃以下で貯蔵し開花を促進した場合には、切り花長や小花数等の切り花品質は若干低下するが実用上問題ない。(表3)
- 苗による低温処理は、乾燥貯蔵よりもさらに開花が早くなる(表4)。
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成果の活用面・留意点 |
- 促成栽培に使用する球根は、前作の切り下球から分球した子球を利用し、球径が1.5~2.5㎝程度の小球を用いる。
- 苗による低温処理は、球根を40穴のセル成型トレイに仮植した状態で行うので、大型の恒温室が必要となる。
- 定植後の温度管理は、最低夜温を高くするほど開花は早くなるが、実際栽培では少なくとも10℃程度の夜温確保が必要である。
- 促成栽培では開花が冬期の寡日照条件下となるので、切り花品質を向上するために、日当たりの良いハウスで栽培する。特に、被覆資材の汚れや温度確保のための二重被覆等による光線不足は、極端な小花数の減少やアボーション発生の原因となる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
温度管理
温度処理
乾燥
栽培技術
出荷調整
生産拡大
耐寒性
保存・貯蔵
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