大麦の加熱褐変に関係する穀粒中のポリフェノール含量の品種間差異

タイトル 大麦の加熱褐変に関係する穀粒中のポリフェノール含量の品種間差異
担当機関 四国農業試験場
研究期間 1999~2000
研究担当者 松中仁
神山紀子(品質評価研)
土井芳憲
藤田雅也
武田和義(岡大資生研)
発行年度 2000
要約 大麦の加熱褐変に関係する穀粒中のポリフェノール含量は、0.19~0.75mg/gの品種間差異があり、日本や朝鮮半島の裸麦品種のポリフェノール含量が低い。低ポリフェノール遺伝資源には、プロアントシアニジンフリー突然変異と異なる在来種が含まれる。
背景・ねらい
大麦を加工調理する場合、麦飯や麺類にみられるように加熱処理によって褐変し、外観が悪くなることが問題点の一つである。この加熱による褐変は、主に穀粒中に含まれるポリフェノールによるものと考えられることから、加熱による褐変の少ない裸麦品種育成のため、穀粒中のポリフェノール含量の品種間差異を明らかにする。

成果の内容・特徴
  1. 搗精麦の炊飯後白度は、ポリフェノール含量と高い負の相関関係にある(図1)。
  2. 大麦約1400品種を調査した結果、55%搗精(裸麦は60%)した穀粒のポリフェノール含量は、0.19~0.75mg/gと3倍以上の品種間差異があり、図2のような分布を示す。
  3. 地域別には、朝鮮半島と日本の裸麦品種のポリフェノール含量が低く、従来知られているプロアントシアニジンフリー突然変異並の低ポリフェノール遺伝資源が存在する(表1)。
  4. 最もポリフェノール含量が低かった5在来種(0.27mg/g以下,収集番号SV158,
    SV251, NI260, NI411, NI462)をHPLC分析した結果、カテキンやプロデルフィニジンB3などのプロアントシアニジンが検出され、これらの品種はプロアントシアニジンフリー突然変異と異なる低ポリフェノール遺伝資源と考えられる。
成果の活用面・留意点
  1. ポリフェノールに関する品質育種の基礎データとして活用する。
  2. 低ポリフェノール遺伝資源を、交配母本として利用できる。
  3. 本成果はポリフェノール含量の測定に基づくものであり、新規遺伝資源の加熱褐変は未確認である。

図表1 228864-1.jpg
図表2 228864-2.jpg
図表3 228864-3.jpg
カテゴリ 育種 遺伝資源 大麦 加工 品種

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