造礁サンゴの分布と群集構造

タイトル 造礁サンゴの分布と群集構造
担当機関 南西海区水産研究所
研究期間
研究担当者
発行年度 1995
要約 我が国沿岸における造礁サンゴの分布特性を明らかにした。また、環境条件が造礁サンゴの種類や群体数、被度に影響し、さらには群集構造の成立と維持にも関与することを、スキューバ潜水を用いた野外調査により実証した。
背景・ねらい 近年世界各地のさんご礁海域において、造礁サンゴ群集の大規模な破壊が認められ、環境保全の点において、あるいは生物資源の減耗といった点において憂慮すべき状況が生じている。この原因として、沿岸開発や海洋汚染といった人為的攪乱のほか、異常高温や生物食 害といった要因があげられている。
本研究の目的は、我が国沿岸における造礁サンゴの分布特性と群集構造を明らかにすることである。この過程において、沿岸汚染や地球温暖化など、造礁サンゴと環境要因との因果関係について考察する。
成果の内容・特徴 造礁サンゴに関する過去の知見を総括することにより、南西日本による造礁サンゴの分布特性を調べた。その結果、北緯30゜付近より南方のさんご礁域と、それ以北の造礁サンゴ分布域との間には、科や属レベルでは明瞭な差異はが認められないものの、種レベルにおいて明瞭な境界が存在するということが明らかになった。高緯度地方の造礁サンゴ生物相の独自性を示す象徴的な結果であると評価できる。
造礁サンゴの群集構造を調査した結果、生息環境条件と関連して、造礁サンゴの出現種、優占種、種類、種数、群体数、被度、分布様式などに大きな差異が認められた。1980年前後に起こったオニヒトデによる食害以降、環境条件の恵まれた海域では造礁サンゴ群集が順調に回復しているのに対して、沿岸付近では水質悪化や異常高温の影響を受け造礁サンゴ群集の回復が困難な状況にあることが示唆された。
成果の活用面・留意点 一連の研究を通じて、我が国沿岸域の造礁サンゴ群集が危機的状況にあるという認識を新たにした。これらの結果を、さんご礁生態系や造礁サンゴ生態系の環境保全や多様性維持に活用すると共に、関連する資源生物の持続的利用に反映していく施策の展開が必要であると考えられる。
カテゴリ

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる