外海砂浜域および内湾域における主要貝類の安定同位体比の比較

タイトル 外海砂浜域および内湾域における主要貝類の安定同位体比の比較
担当機関 (独)水産総合研究センター 日本海区水産研究所
研究期間 2002~2006
研究担当者 木暮陽一
発行年度 2009
要約 外海砂浜域(新潟県北部沿岸)および内湾域(愛知県知多湾)における主要貝類と堆積有機物の炭素・窒素安定同位体比を計測し、食物網構造や餌料有機物供給源について海域間の比較を行った。その結果、両海域ともに陸起源有機炭素の堆積が認められたが、その影響度は新潟沿岸で大きかった。また、貝類の窒素安定同位体比は知多湾で顕著に高く、内湾特有の海洋環境が影響していると推察された。
背景・ねらい 本邦周辺海域の砂泥底には多様な貝類が生息し、その一部は主要な水産資源となっている。これら沿岸漁場の環境について現状把握やその経時的変化に関する知見を集積することは、漁場管理を適切に実施するための基本情報として重要である。そこで本研究では、外海域と内湾という異なる海洋環境下における貝類の餌料環境を化学的分析により解析することを目的とする。
成果の内容・特徴 新潟海域、知多湾ともに堆積有機物の炭素安定同位体比平均値は-20‰以下であり、陸起源物質の影響が見られた(図1、2)。一方、1次消費者に位置するアサリやサクラガイ等の主要二枚貝類の炭素安定同位体比はこれら堆積物よりも5‰以上高いことから、陸起源物質は直接的な餌料ではないと判断された。
主要貝類の窒素安定同位体比は海域間で顕著な差が見られた。すなわち新潟海域では平均4.8‰であったのに対し、知多湾では平均11.5‰に達した(図3)。この傾向は両海域で共通して出現する種においても明瞭であり、餌料の同位体比の差異が貝類に影響していることを示している。実際、堆積有機物の窒素安定同位体比に関しても、知多湾では新潟海域よりも平均2‰以上高い値となった(図2)。
このような海域間の窒素安定同位体比の差異を生じさせる要因として、陸起源有機物の影響強度、脱窒活性の高い干潟の有無、流域圏からの人為起源窒素負荷の程度等が複合的に関与していると推察された。
成果の活用面・留意点
  • 本成果をもとに、さらに多種のベントスについて調査することで、沿岸漁場環境の経時的変化の傾向をモニタリングするための基本資料となる。
  • 海域特性に応じた貝類増養殖のための場の選定や保全に資する。
図表1 234284-1.png
図表2 234284-2.png
図表3 234284-3.png
カテゴリ モニタリング

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる